知財部員の役割は媒介すること

最近なんとなく考えたことについて。

 

会社で知財の仕事をしていると、よく人と人の間に立つことがあります。

典型的なのは、開発者から発明発案を受け、それを特許事務所の弁理士に伝える、みたいな場合でしょう。

だから、知財部員の重要な役割は、人と人、あるいは組織と組織を媒介することだと思うのです。

ただし、媒介するといっても、情報を右から左へと流すだけだと、あまり存在意義がありません。

 

例を考えてみましょう。

例えば、AさんとBさんが何らかの情報をやりとりをするときに、二人の間にCさんが入って、情報伝達をするとします。

このとき、CさんがAさんの情報をBさんにそのまま伝えるだけでは、情報に何も付加価値がつきません。

むしろ、Cさんが適当に情報を流すことによって、情報が劣化してしまう可能性すらあります。

 

どうやって付加価値をつけるか?

上の例のCさんというのは、もちろん知財部員のことです。

では、媒介者であるCさん(知財部員)が存在意義を発揮するためにはどうすればよいか?

それには、下記のようなやり方があると思います。

 

情報を「翻訳」する

AさんとBさんの直接の意思疎通が困難な場合に、Aさんが言うことをBさんに翻訳してあげる(あるいはその逆)ができれば、Cさんの付加価値は高まります。

翻訳というのは、べつに外国語を日本語にするに限った話ではなく、例えば、社内用語バリバリの技術説明を部外者にも分かるように解説する、堅苦しい法律論を卑近な例に置き換える、といったことも含みます。

ただし、Cさんが解釈を間違ってしまうと、とたんに情報の価値がなくなったり、混乱が起こったりしてしまいます。

 

情報を付加する

Aさんが出した情報に対して、なにか有益な情報をさらに加えてBさんに伝えることができれば、Cさんの付加価値は高まります。

例えば、Aさんの発明提案に変形例を付け加える、会社の立場からどのような権利保護の形態が好ましいかを弁理士に伝える、などが考えられます。

ただし、あんまり関係無い情報を付け加えても、ただのノイズになってしまう場合があるので、注意が必要です。

 

情報の宛先を見つける

そもそもの話で、Aさんが誰に情報を渡すべきなのか(Bさんに相当するのを誰にするか)を、Cさんが適切に決める、というのもCさんの重要な役割になり得ます。

発明提案の技術分野や発明者との相性を考慮して、適切な弁理士をチョイスするというのが代表的な例でしょう。

 

情報を統合する

複数のソースから情報を集めて、それらを統合して、ひとつの価値のある情報を創り出す、というのも付加価値の付け方だと思います。

例としては、開発者から発明提案を受け付ける一方で、事業部から競合他社の実施状況の情報を集め、それらの情報から有効なクレームや実施例を考える、というのが当てはまります。

 

最後に

よく知財部員というのは、中途半端な仕事だと言われることがあります。

発明を出すのは開発者だし、実際に明細書を書くのは特許事務所の弁理士であることが多い。

知財部員がやることはそれらの間を取り持つだけ。

そんな理由からでしょう。

 

たしかに自分もそのように思う時がたまにありますが、それならそれで付加価値を出すために工夫しなければならないとも思います。

今回は、知財部員としてどう動くと良いのかについてなんとなく思っていたことをまとめてみました。

誰かの参考にというよりは、自分へのいましめにしたいと思います。