知財部員が弁理士を取るとこんな良いことが?!

公開日: : 最終更新日:2017/02/12 キャリアプラン , ,

前回は弁理士試験に合格するのはなかなか大変だよ、というある意味当たり前のことをつらつら書きました。

じゃあ、それだけ苦労して得られた弁理士資格が何の役に立つのでしょうか?

たしかに弁理士を持っているとカッコいいのは分かるけど、具体的なご利益って何なのよ?!と。

今回は、その点について考えてみましょう!

 

弁理士ができること

まずは基本に立ち返って、弁理士法を見てみたいと思います。

弁理士法には、弁理士にできること、弁理士以外の人がやってはいけないことが定められています。

ちょっと長いですが、引用します。

(業務)
第四条  弁理士は、他人の求めに応じ、特許、実用新案、意匠若しくは商標又は国際出願若しくは国際登録出願に関する特許庁における手続及び特許、実用新案、意匠又は商標に関する異議申立て又は裁定に関する経済産業大臣に対する手続についての代理並びにこれらの手続に係る事項に関する鑑定その他の事務を行うことを業とする。

(弁理士又は特許業務法人でない者の業務の制限)
第七十五条  弁理士又は特許業務法人でない者は、他人の求めに応じ報酬を得て、特許、実用新案、意匠若しくは商標若しくは国際出願若しくは国際登録出願に関する特許庁における手続若しくは特許、実用新案、意匠若しくは商標に関する異議申立て若しくは裁定に関する経済産業大臣に対する手続についての代理・・・(中略)・・・を業とすることができない。

簡単に言えば、上の方(第四条)は、「弁理士は知財手続きの代理をやりますよ」ということで、
下の方(第七十五条)は、「弁理士じゃない人は、お金をもらって知財手続きの代理をやっちゃいけませんよ!」ということです。

これが法律上規定されている弁理士資格を取る意義になるわけです。

なので、これから独立して特許事務所を立ち上げたい!と考えている人は当然弁理士資格が必要ですし、独立はしなくても特許事務所に勤めている人であれば、代理人業務を円滑に進める上で弁理士資格は必要です。
(特許技術者として無資格でも仕事をすることはできますが、弁理士を持っている方が待遇は良くなります。)

 

しかし、逆に言えば、企業の知財部など、特許事務所以外で働いていこうとしている人にとっては、それほど重要じゃないですよね。

弁理士じゃなくても、会社の中で知財業務をすることはできるわけで。

このような人たちには、弁理士を取ることでどのようなメリットがあるのでしょうか?







 

知財部員が弁理士資格を取るメリットは?

いわゆる企業内弁理士となって、いいことが起こるのか?

実は、多くの企業においては、弁理士資格を取ったからといって、いきなり業務内容が変わったり、待遇が良くなったりするというわけではありません。

まあ、会社によっては、弁理士の登録料を補助してくれたり、資格手当を出してくれたりするところもあるようですが。

とはいえ、分かりやすい効果こそ無いものの、長期的に見ればやはり弁理士資格を持つことのメリットは出てくると思います。

思い付くものを挙げてみましょう。

 

キャリアのチャンスが広がる

個人的に一番のメリットだと思うのが、これです。

まず、知財業務未経験の人がキャリアチェンジをしたいという場合に役に立ちます。

弁理士を持っていることは、知財業務に必要な法律知識が備わっていることの証明になりますし、何より「知財をやりたい!」という本気度や熱意を示すことができます。

その結果、社内で知財部門への異動が叶ったり、あるいは特許事務所に転職できたりする可能性が高まります。

 

もちろん、すでに知財業務を行っている人についても、弁理士資格があることで、キャリア的なチャンスはさらに広がります。

まず、周囲から知財の専門家と見られるため、より高度な仕事が回ってくるチャンスが増えます。

高度な仕事ほど法律や判例の解釈、適用が必要になってくるためです。

例を挙げると、特許出願時の法律解釈が必要なイレギュラー案件、共同研究や業務提携における知財の取り扱いの検討、訴訟・係争案件、社内外での知財研修の講師などです。

このような高度な仕事に取り込むことで希少な経験を積むことができ、それが評価されてさらに高度な仕事が回ってくる、という正のスパイラルが生まれます。

これは、キャリアの上で大きなアドバンテージになります。

それから、弁理士資格は転職の際にも役に立ちます。

特許事務所への就職は当然有利ですし、企業の知財部への転職でも弁理士を持っていることは一定以上の能力の証明として有利に働くでしょう。

また、消極的な理由ではありますが、昨今のような不安定な時代には、自分の意に添わず会社にいられなくなる可能性もあるわけだから(クビ切りとか)、リスクヘッジとして資格を持っておく意義はあると思います。

 

人脈が広がる

巷では弁理士を対象とした勉強会や交流会があり、資格があることで、このようなコミュニティーに入りやすくなります。

このような機会に積極的に参加すれば、様々な企業や特許事務所などの弁理士と知り合いになることができます。

やはり、様々な立場の専門家と交流を持つことで、仕事への意識が高まりますし、おのずと知財に関する様々な情報が集まってきます。

人脈から得られる情報や刺激によって一層のスキルアップが図れるというわけです。

これは別に弁理士でなくても本人の心がけ次第でできることですが、やはり相対的に見て弁理士資格がある方がこのような機会は増えますね。

 

社内外から一目置かれる

やはり、弁理士資格を取るのは難しいので、資格を持っているだけで周りから「すごいな!」と思ってもらえます。

結果として、知財部内や他部門(開発や事業部)への発言力が高まるというメリットがあります。

また、社外の人と会う場合も、名刺に弁理士と書いてあれば「ちゃんと知財が分かる人なんだな」と思ってもらえるので、初対面からナメられることもありません。

特に海外の弁護士などは、日本人以上に、名刺に弁理士と書いてあるかどうかでその人がプロフェッショナルかどうかを判断すると聞いたことがあります。

 

私の経験

自分の経験でも、弁理士資格があることでチャンスが広がったなと感じたことがあります。

例えば、私は過去に知財コンサルティングという関東経済産業省のプロジェクトに参加したことがあります。

そのプロジェクトの参加者は、弁理士や公認会計士などの士業やビジネス経験豊富なプロフェッショナルの方々ばかりだったのですが、何故か、当時社会人になって間もない私が弁理士資格があるという理由でそのプロジェクトに参加させてもらえたのです。

その結果、あるベンチャー企業に対して知財面での支援をさせて頂くという貴重な経験を得ることができました。

何より、普通では知り合えないような方々と知り合いになることができ、すごく刺激を受けました。

 

その他には、社内の弁理士のコミュニティに入れてもらえて、色々とスキルアップをすることができましたし、転職にも成功することができました。

やはり、自分としては弁理士資格というものが自分のキャリア形成に大きく役立っていると感じています。

 

最後に

というわけで、弁理士資格を取ることのメリットを色々と紹介してきました。

中には、「弁理士のメリットってこの程度かよ・・・」と感じた方もいるかもしれませんね。

 

結論としては、弁理士資格を取る意義があるかどうかは、その人の意識次第だということです。

意識の高い人、つまり、資格を武器にガンガンのし上がってやろうという人は、がんばって資格を取るべきでしょう。

上で述べたように、資格を取ることで、人脈を広げたりキャリアアップができるような機会が確実に増えます。

さらに、事務所を開いて独立することも可能だし、新しいビジネスを立ち上げて資格から得られる信用、人脈、情報などを享受することもできるかもしれません。

 

一方、資格を取って左うちわで暮らしたい!とか考えてる人は、割に合わないから止めるべきです。

企業にしろ特許事務所にしろ、いくら弁理士資格があっても、資格を裏付けるだけの実務能力が無ければ決して良い待遇は受けられません。

昔に比べると弁理士試験合格者が増えているので、弁理士自体にそれほど希少性があるわけではないのです。

 

弁理士試験の受験を検討している方は、前回の記事と今回の記事を参考に、一度弁理士試験に必要なコストとそこから得られるメリットを比較考慮してみることをおすすめします。

それでもし「弁理士を取りたい!」と思うのであれは、是非挑戦してみてはいかがでしょうか?!

■関連
知財部員は弁理士を目指すべき?そのコストとは?






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Comment

  1. shin より:

    はじめまして。弁理士の資格のことについて調べていて、このブログのことをみつけました。来年から企業の知財部に内定している情報系の大学院生です。

    「弁理士資格ってとった方がいいのだろうか?」と考えていため、メリットやコスト、働き方に関する内容はとても助かりました。

    ありがとうございます!

    • umegreat より:

      コメントありがとうございます!お役に立ったとのことで幸いです。
      企業の知財部に内定とのことでがんばってください!

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