IV社についての記事を読んで

公開日: : 最終更新日:2016/11/26 時事ネタ

ネットを徘徊していると、IV(インテレクチュアル・ベンチャーズ)社のネイサン・ミアボルト氏のインタビュー記事があったので、興味深く読みました。

目先の懐具合で発明をあきらめるべからず
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20140414/346385/?ST=real&P=1

記事の概要と思ったことを簡単に書きたいと思います。

IV社のファンドの類型、研究テーマ

まず、記事では、IV社のビジネスの概要について触れられています。

通常のベンチャーキャピタルは事業に対して投資を行うのに対し、IV社は技術そのもの(発明や特許)を投資対象とするところに特徴があります。
実用化される発明は非常に少なく、それ単体では投資として非常にリスクが高いですが、ポートフォリオを組むことでリスクヘッジができるようになるとのことです。

記事によれば、IV社は発明の入手方法に基づいて、下記の3つのファンドの類型があるそうです。

  • ISF (Invention Science Fund)
  • IV社の研究所が手掛ける発明に投資するためのファンド

  • IDF (Invention Development Fund)
  • 大学などの外部の研究者の発明を支援するためのファンド

  • IIF (Invention Investment Fund)
  • 既存技術(特許)を購入するためのファンド

IIFは巷のパテントトロールと同じようなビジネスモデルですが、ISF, IDFについてはIV社を特徴付けるユニークな取り組みだと言えます。
(記事で書かれている通り、IV社は自社で研究員や発明発掘コンサルタントを擁している。)
記事で言うところの、辛抱強い投資家による中長期の投資というのは、この2つのファンドを指しているんでしょうね。

なお、IV社について書かれた本に「知財の利回り」がありますが、そこで紹介されていた1号ファンド。2号ファンド、3号ファンドとほぼ同じ概念ですね。

さらに、記事では、IV社の社内の研究テーマとして、原子力発電、医療機器、マラリア蚊を撃ち落とすためのレーザー(!)が紹介されています。

最後は、IV社は新興国の貧困層の生活環境を改善させるための研究プロジェクトをグローバル・グッドと呼んでおり、これに取り組むことで、世界中の課題解決に貢献していくという話でしめられていました。

それにしても、大きな話です。
このような大きなテーマには、中長期の投資をしてくれる辛抱強い投資家が必要だという話が再三出てきましたが、現時点でどのくらいの成果が出ているんですかね?
記事では、「運用資産は60億米ドルで、これまでに30億米ドル以上のライセンス収入を得ている」とのことですが、3つのファンドの寄与率が気になります。
(たぶん、ほとんどIIFで儲けているんだと思いますが。)

本当の狙いは?

上記のインタビューは、IV社のイメージアップのためのPRも多分に含まれていると思うので、数ある研究テーマから特に耳触りのよいテーマを選んで話しているんだろうなぁという気がします。

じゃあ、実際はIV社はどういう発明に投資しているのか?
気になって、簡単に特許調査をしてみました。

IPDLで出願人「インテレクチュアル ベンチャーズ」で検索してみたところ、86件(うち、約50件が登録特許)がヒットしました。
一方、USの方では、”assignee name”を”Intellectual Ventures”として検索したところ、約400件の特許がヒットしました。

中身は詳しく見ていませんが、一見したところ、特許の技術分野としてはイメージング技術やセンサー関連の技術が目立って多い印象を受けました。
ここらへんが、IV社が近い将来「来る!」と読んでいる分野なんですかね?

たしかに、最近でもGoogle Glassが出たり、Facebookが拡張現実のハードウェア・メーカーであるOculusを買収したりと、この分野が注目されている気がします。

特許の内容を詳しく分析すれば、IV社の狙いというか将来的な構想のようなものが読み取れるかもしれません。

そんなわけで、とりとめなく書いてきましたが、今後もIV社には注目したいと思います。

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