シンガポールはIP-HUBになれるか?

ネットを徘徊していると、特許と会計というブログの記事で、シンガポールの知財戦略についての資料に言及されていたので、気になって読んでみました。

IP HUB MASTER PLAN(PDFファイル)

ざっくりというとシンガポールがアジアのIP-HUBになるためにどういう戦略をとったら良いかということをまとめたレポートです。

 

シンガポールがアジアのIP-Marketplaceに?

IP HUB MASTER PLANでは、シンガポールが大きく3つの分野でハブになることを目標にしています。

  • 知財移転(知財取引)のハブになる
  • 知財出願のハブになる
  • 知財紛争解決のハブになる

さすがシンガポール!と思うのは、戦略の1番目に知財取引のマーケットプレイスになるということを高々と宣言していることです。

そのための戦略は以下のようです。

Strategy 1: Develop a vibrant IP marketplace by attracting top IP intermediaries, and supporting promising initiatives to catalyse the development of the marketplace.

Strategy 2:Facilitate IP transactions by increasing access to IP financing, and enhancing transparency and certainty in IP transactions.

ここでいうIP intermediaries(IP媒介者)とは、IPブローカーやdefensiveなIP aggregatorなどを指しているようです。

もし、NPEなら何でもトロールだと思われてる日本でこんなプランを出したら、経団連とかが「トロールを誘致するとは何事だ!!」と怒り出すでしょう(笑)

やはりこれは、自国のメーカーがそれほどなく、主に外資系企業の中継地として発展しているシンガポールだからこそ可能なんだと思います。
(あと、政府が実質的に一党独裁だし。)

なお、上記レポートでは、いわゆるパテントトロール行為についてはきれいに言及を避けているように思えます。
しかし、IPによる収益化のために必要に応じてlitigationが行われうると書いてあるので、多少はやむを得ないと考えているのでしょう。

 

また、本レポートでは、IPによるFinancingについても融資や証券化などに分類されて説明されています。

知財収益化のためのスキームがほぼ網羅されているため、この分野の知識が浅い私には勉強になりました。

 

最後に

このレポートで言うように、シンガポールが本気で取り組めば、数年後には本当にアジアのIP-Hubになっているかもしれませんね。

シンガポールは歴史的にアジアビジネスの中継地であり続けたわけですし、加えて金融業が発達しているため、知財の流通や収益化にはかなりポテンシャルがありそうです。

ただ、問題点としては、本レポートでも言及されていますが、いかんせん小さい国なので、国内のマーケットの規模が限定的で、そのためシンガポールの知財の価値がどうしても低くなってしまうというのはあります。

そこは、出願や裁判において他のASEAN諸国を巻き込むことができれば、面白いことになると思うんですけどね。

 

そんなわけで、これを機にもっとアジアの知財事情について勉強したいです。
将来的に、アジアの知財という観点で面白いビジネスができたらいいなぁとか思ったり。。

2 Comments

yy

こんにちは。
ハブになる?
知財を持っている会社がシンガポールの会社に権利を移転するということでしょうか。
権利者にとって、不要な知財ならありうるかも。
必要な知財は移転しないかな、税制をどの位クリアしているか不明ですが、どうなんでしょうか、子会社を作り、そこで得た利益を親会社に送金しないのかな
知財以外に税制も運用できるくらいにならないといけないですね。
知財も総合力の時代に入っていると感じます。

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umegreat

yyさん

仰る通り、ハブ構想の中にはシンガポールの企業に知財を移転することも含まれていると想います。
いわゆるパテントボックス制度を導入して、世界中から知財を呼び寄せることを意図しているのでしょう。

正直、私もそこらへんの話は不勉強であまりわかってないのですが。
税制とか色々勉強しないといけませんね。。

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