就活中の学生からの質問に答えるコーナー、第2回目です!
ご質問の方は、大手企業の知財部を受けることを検討しており、私自身のキャリア(新卒で知財部に入り、その後転職)についても興味を持って頂いているようでした。
そのため、質問とその回答が私個人の話に寄ったものになっておりますが、予めご了承ください。
本記事の内容
キャリアの考え方について
質問:今後一生知財の分野で食べていくつもりですか?
これは、私が大手企業の知財部から転職する際に、知財職かそれ以外にするかで悩んでいたが、結局知財職を選択したことを受けてのご質問でした。
さて、自分は一生知財で食っていくのか?
正直、将来のことはわからないので、何とも言えないですね・・。
ただ、新卒から知財一本で、最早それなりの年齢になっていますので、今更全く畑違いの仕事を1から始めるのは厳しいということもあり、一生知財で食っていくことになる可能性が高いですかね。
質問:弁理士資格を活かして弁理士事務所に行く事は考えなかったのでしょうか?
新卒で就活をした時も、転職活動をしていた時も、正直、特許事務所に行くことはあまり考えませんでしたね。
新卒の時は、とりあえず大手メーカーに行った方がつぶしが効くだろうという考えでした。
転職の時は、ある程度知財分野で社会人経験を積んだ上で、特許事務所の仕事はそれほど自分に向いてないなと考えました。
特許事務所で、明細書作成などの出願、権利化手続きに特化してやるより、企業で知財に関する仕事を幅広くやった方が面白そうだと思いました。
質問:学生時代の研究分野での就職は考えていなかったのでしょうか?
これは、私が学生時代に有機化学合成を専攻していたのに、電機メーカー、IT企業と技術分野として畑違いの分野に進んだことを受けたご質問です。
もちろん、学生で就活をやっているときは、自分の専攻が活かせるような企業への就職を考えました。
実際、新卒の時は製薬メーカーや化学メーカーなどの研究職を受けたりしました。(そして、全落ちしました・・・(涙))
ただ、その当時も、研究職を経て最終的には知財の仕事がやりたいと思っており、だったら最初から知財部に入ればいいじゃん!と思い至ったのです。
その後、電機メーカーの知財を受け始め、そのうちの1社から知財専門職として内定をもらいました。
ちなみに、前職では、材料分野の特許権利化をやっていたので、その時は大学の時の専門分野はそれなりに活かされていました。
(今は全然畑違いの技術分野を扱ってますが・・)
質問:今からもう一度大学生に戻れるとして、もう一度知財の仕事を志望しますか?
面白い質問ですね(笑)
あまり考えたことがなかったですが、個人的には知財の仕事は悪くないと思っています。
頭を使う仕事だし、専門職なのでつぶしが効くし、開発などに比べればそこまでキツくないし。
でも、もしも大学に戻れるんなら、もう一度知財の仕事をするかどうかちょっと迷いますね。
起業したり海外で就職したりっていうのに憧れがあるので、そういうのを目指したい気もします。
質問:実は研究職と知財職のどちらにしようか迷っています
ご質問頂いた方は、知財職に興味がある一方で、元々は研究職を志望しており、どちらにするか迷っておられました。
で、私の意見としては、別に片方に絞らなくても、いけるところまで両方進めたらいいんじゃないですかね?
内定もらってからどちらにするか考えれば良いように思えます。
ただ、企業によっては応募の段階で、研究(開発)職にするのか、知財職にするのかを選択しなければならないところがあり、その場合悩みますね。
知財職として募集がある企業は知財職で受けて、それ以外は研究職で応募する、とかでしょうか。
ところで、研究職ではなく知財に行きたいという理由は何でしょう?
研究よりも知財をやりたい!という強い思いがあるんなら、新卒で知財を狙うのも良いと思いますが、そうでないならあえて知財部を目指す必要はないかもしれません。
基本的に、一旦知財に入ってしまうと、そこから研究職に移れるケースは非常にレアです。
一方で、研究職・開発職から知財に移るケースはままあります。
従って、少しでも研究職に未練があるなら、まずはそちらに行った方が良いかもしれません。
最後に
「なるほど、こう来るか」と思わされるような質問ばかりで、返答を考えるのがおもしろかったですね。
また、学生の方のキャリアを真剣に考える姿勢が伝わってきて、ハッとさせられました。
一旦会社に入ってそこそこ安定していると、自分のキャリアを真剣に考えることを怠りがちになります。
私も、例外ではなく、そんなかんじです。
やはり定期的に自分が今まで歩んできた道を振り返り、これからのことを考えねばなりませんね。
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