就活を前にした学生の多くは、「自分の専攻(研究テーマ)が活かせる仕事に就きたい!」と考えているのではないでしょうか?
私自身も学生の時は同じことを考えながら就活をしていました。
しかし、今だからこそ言えるのですが、この考え方はもしかすると自分の将来を狭めることになるかもしれません。
この記事では、就活で専攻を意識しすぎて失敗した私の体験談をご紹介します!
本記事の内容
専攻を意識しすぎて就活で失敗・・・
大学の専攻にこだわりすぎると、就活で失敗する可能性があります。
私の例で恐縮ですが、実例を挙げてみましょう。
私がまだ学生で、就活をしていた時の話です。
学部は薬学部→第一志望は製薬企業の研究者
私は、大学院では、創薬化学(薬の原料となる化合物を合成する)を専攻していました。
薬学系の学科ですから、就活の時期にさしかかると、当然、周りはみんな製薬企業を目指すわけです。
なので、自分も特に何の疑問も持たずに、周りと同じく製薬企業の研究職を志望することにしました。
その当時の私は、
自分は大学ではずっと化学を勉強してきたし、今は製薬系の研究室にいる。だから、自分の専門性を活かすために製薬企業に行くしかない!
という、ある種の固定観念があったように思います。
製薬、化粧品などにエントリーしまくる
そんなわけで、就活先の会社選びとしては、
- 製薬企業(食品メーカー等の製薬部門を含む)
- 化粧品メーカー
- 化学メーカー
を手当り次第に受けることにしました。
いずれも研究職です。
製薬企業の研究職のエントリーは、修士1年の秋くらいから開始されます。
製薬企業の研究職は自分の専攻と一番近いだけあって、とにかくエントリーできる企業は極力エントリーし、説明会やら面接やらに行きまくりました。
その中で、ある食品メーカーの製薬部門は最終面接までいったので、かなり期待していました。
しかし、最終面接で落ちてしまい、製薬企業は全落ちが確定・・・。
続く化粧品メーカーや化学メーカーなども、色々エントリーしましたが、ことごとく落ちてしまいました。。
そうしている間に、製薬企業の募集はほとんどなくなり、その他の化学系の企業も募集が少なくなってきました。
私は、就活についての今後の方針を見直さざるを得ませんでした・・・。
専攻とは関係ない電機メーカーに就職
そんなわけで、製薬企業等の研究職での内定が得られなかった私は、否が応でも専攻とは関係ない企業を探すことになりました。
時はすでに修士2年の春。
研究室の同期はすでに製薬企業から内定をもらっているのに対し、自分だけが細々と就活をしているという状況・・・。
このあたりで内定が得られないと、そもそも就職ができなくなる、という切羽詰った時期でした。
自分のやりたいことを深堀り
実は私は就活を始める前から、研究者よりも知財の仕事の方が面白そうだと考えていました。
(密かに弁理士の勉強もしていました。)
知財(弁理士)の仕事は、「特許法などの法律的な知識と、技術を理解するための理系的な知識の両方が必要である」という学際的な点に興味を惹かれていました。
そのため、当初思い描いていたのは、
企業の研究者なり開発者なりで就職しておいて、その後知財部などに移って知財の仕事をやる
というキャリアパスでした。
このように、研究職を腰掛け程度に考えていたことが全落ちした1つの原因でもあったわけです。
だったら、最初から知財職に応募すればいいんじゃないのか?
そこで、色々調べたところ、化学系の企業は新卒で知財の募集はやっていない、
しかし、いわゆる電機メーカーでは新卒で知財の募集をやっていることを発見しました。
専攻と関係ないところで就活するためらいも・・・
ただ、当時の私のイメージでは、電気メーカーは電機や機械を専攻している工学部系の学生が行くところでした。
なので、「製薬・化学専攻の自分が電機メーカーを受けるのは場違いで、エントリーしても門前払いされるのではないか?」と感じていました。
そして、それ以上に、
- これまで折角勉強してきた化学とは関係ない仕事になるんじゃないか?
- 今まで自分が積み重ねてきた専門性が無駄になるんじゃないか?
と悩みました。
(その当時の自分の専門性なんて、全然大したことなかったんですけどね。。)
ダメ元で挑戦して内定!
しかし、時期も時期なので、迷っている暇はありません。
結局は、自分の興味に従って、ダメ元で電機メーカーの知財職にエントリーしてみることにしました。
すると、意外なことに、筆記試験、1次面接と、予想外に選考がスムーズに進みました。
そして、2つ受けたうちの1つの企業(大手電機メーカーの知財職)から、運良く内定をもらうことができたのです!
あれほど取れなかった内定があっさり取れてしまった(しかも専攻から遠い企業で!)ということに、自分でも驚きました。
結局は、この企業に就職して、私の社会人としてのキャリアが始まったのでした。
多くの人から見ればこれは大した決断ではないと思いますが、当時の自分としてはかなり思い切ったことをやったのです。
このことは、成功体験として自分の中に残りました。
このような体験をしたおかげで、自分のキャリアパスについて柔軟な考えができるようになったと思います。
社会人になってからは、以前ほど専門性にはこだわらなくなりました。
転職の時は、畑違いのIT企業に飛び込みました。
学生の頃の自分では考えられない選択だと思います。
大学の専攻にこだわりすぎないほうがいい
そんなわけで、私の就活での体験談をご紹介しました。
就活をする学生の方に伝えたいのは、「自分の専攻はいったん忘れて、ゼロベースでやりたい仕事を探そう!」ということです。
社会人の方なら分かると思いますが、大学の時の専攻や研究テーマに直接関わる仕事を生涯やり続ける人なんて、相当稀です。
早かれ遅かれ今までとは異なる道に飛び込まなければならない場面がくるのです。
だから、新しい分野に飛び込むことを、周りの人と違う道に進むことを恐れないでほしいです。
逆に、専門性にこだわり過ぎると、自分の可能性を狭め、チャンスを潰してしまうことになると思います。
「薬学部だから製薬企業」
「理系の大学院にいるから研究職」
などと根拠もなくこだわる人は、専門性の呪縛にはまってしまっています!
少なくとも、「自分の専攻ならこの業界」などと安易に会社を決めるのではなく、幅広い業界・職種を検討しましょう。
今から就活シーズン真っ盛りですが、就活生の方には是非この考えを参考にして頂けたらと思います!
理系の専攻外での就職
大学の専攻とは関係ないところで就職するにしても、できるだけ理系としての強みを活かしたいところです。
理系であれば、専門分野は違えど、理系としての強みはある程度共通しています。
そして、世間では文系的な仕事と認知されていても、理系的な強みが活かせる就職先というのも存在します。
理系の専攻外での就職先については、下記の記事で詳しく書いています。

理系におすすめの資格
就活を有利に進めるために、資格の取得を検討している人もいるでしょう。
特に、専攻に関係ない企業にエントリーする際には、その分野に関係する資格を取ることで志望度をアピールするのも一案です。
理系におすすめ資格については、下記の記事で紹介しているので、こちらもご参考に!

えっ!薬学部出身でしたか?
薬剤師と弁理士かっこいいですね!
拙者は、薬剤師と知財2級とその他。です。
これからもよろしくお願いします。
薬也さん
コメントありがとうございます!
実は薬学研究科にいたのは修士の時だけで、学部のときは薬学部ではなかったので、薬剤師の免許は持っていません。
なので、薬の知識は皆無だったりします。。
またお気軽にコメントいただけるとうれしいです!