知的財産管理技能検定2級の勉強法|テキストや受験体験も紹介します

2級試験の勉強のイメージ

知財の仕事をしている人なら耳にしたことがあるであろう、知的財産管理技能士。

知的財産管理技能士は1級から3級まであり、れっきとした国家資格です。

 

その中でも知的財産管理技能士2級は、知財に関する幅広い知識が求められ、且つ難易度も適度に高いということで、受験者数が多い試験です。

 

私も、企業の知財部に入りたての頃に知的財産管理技能士2級を受験し、なんとか合格を果たすことができました。

2級の受験によって、自分がやっている業務だけでなく、知財の幅広い実務知識が身について、受験してよかったなと思っています。

 

というわけで、この記事では、知的財産管理技能検定2級の勉強法について解説します!

 

なお、知的財産管理技能士1級(特許業務専門)の勉強法については、「知的財産管理技能士1級|特許専門業務の勉強法と教材」という記事で書いていますので、こちらをご参照ください。

知財検定1級の受験生のイメージ 知財検定1級(特許専門業務)を目指す!教材集めが合格のカギ

 

知的財産管理技能検定2級の概要と受験体験

知財検定2級の概要

まず、知的財産管理技能検定2級の概要をさらっとおさらいしておきます。

 

知的財産管理技能検定は、3級から1級まであり、その中で2級は中級レベルに相当します。

受験資格が設けられており、主に、知財の実務経験が2年以上ある人が対象ですね。

 

2級試験は、

  • 学科試験:マークシート択一式(40問を60分で解答)
  • 実技試験:記述方式(40問を60分で解答)

に分かれており、それぞれについて、満点の80%以上で合格となります。

 

合格率は、以下のように、学科試験も実技試験もだいたい40%〜50%くらいです。

知財検定2級合格率

このように知財検定2級は、ある程度知財の実務経験がある人を対象にした試験ではありますが、難易度としてはそれほど難しいものではなく、しっかり勉強すれば合格可能な試験です。

 

【知財検定2級の受験体験】余裕をこいてたら痛い目にあいました・・・

私の場合、知財検定2級の受験の動機は、自己啓発でした。

 

実は私は、学生のときに弁理士試験を受験して、運良く合格していました。

その後、社会人になって知財の仕事をやるようになり、「もっと実務寄りの知識を身につけたい」と考えたのがきっかけです。

 

知財の実務能力を測る試験として知財検定があることはなんとなく知っていたのですが、調べてみると約1ヶ月後に試験が開催されるということで、勢いで受験申込みをしました。

 

2級試験の受験に際して、私がとった勉強方法としては、

市販の問題集をやって、仕上げに過去問を通しで解いて予行演習をする

というシンプルなものでした。

やはり、自分は弁理士試験の勉強で知財関連の法律は詳しいという自信があったので、「過去問をさらっと解くだけで合格できるだろう」と高をくくっていました。

 

しかし、いざ本番の試験を受けてみたら、予想外に難易度の高い問題が多くて苦戦しました・・・。

 

 

試験結果は、学科・実技ともに、合格のボーダーラインである8割ぎりぎり。

一応合格できたので、メンツは保てたものの、ちょっとナメすぎてたと反省しましたね・・・。

もっとしっかり過去問を分析して、弁理士試験では問われない分野(契約、税関、民法など)の対策をしっかりやるべきでした。

 

知財検定2級の効率的勉強法はこれだ!

勉強のイメージ

そんなわけで、私の受験体験(反省)を踏まえつつ、知財検定2級に合格するための効率的な勉強の進め方を考えてみたいと思います!

 

2級試験の合格までに必要な勉強時間

まず、「2級試験の合格までにどれくらいの勉強時間が必要か?」という点を考えてみたいと思います。

 

私の場合、試験の約1ヶ月前から勉強を始めました。

トータルで要した勉強時間としては、100時間弱くらいだと思います。

 

前提として、私の場合、知財検定2級を受ける前に弁理士試験に合格していたため、受験前から、知的財産についての法律的な知識はひと通りあるという状態でした。

なので、知財の知識があまり無い人の場合だと、準備期間としては3ヶ月から半年、勉強時間としては、300〜500時間くらいかかるのではないかと思います。

(当然ながら、もともとの知財の実務知識がどれくらいあるかによって、合格に必要な勉強時間は変わってくるわけですが、あくまで目安ということで・・・。)

 

過去問題集によるアウトプットをメインにやろう

ここからは上記の受験体験を踏まえて、知財検定2級の効率の良い勉強法を考えてみたいと思います。

 

やはり、過去問題集での演習をメインでやるのが、最も効率の良い勉強法だと思います。

 

特に、知財の実務経験が豊富な人や、試験までの時間があまり無い人なんかは、テキストをすっ飛ばして、勉強時間の全てを過去問題集の演習に費やすのが良いと思います。

(私はこれをやって微妙な試験結果になりましたが、限られた時間で合格可能性を高める勉強法としてはやはりベストだと思います)

 

通常の受験生であれば、まずはテキストでひと通り試験に必要な知識をインプットをしてから、過去問題集に取り掛かるのが良いと思います。

 

ただし、ポイントとしては、テキストによるインプットに時間をかけ過ぎないこと。

テキストにひと通り目を通したら、さっさと過去問題集に取り掛かるのが良いです。

過去問を解いてみて、よくわからないところをテキストに戻って再度インプットする方が、効率よく知識を身につけることができます。

 

そうやって過去問題集を回していって、過去問題集に収録された問題のほぼ全てに正答できるようになれば、試験の準備としては8割方完成です。

 

出題比率が高い分野を優先的に対策する(特に著作権は要注意!)

上記のように、過去問題集を完璧にするだけで十分合格を狙えるのですが、万全を期すのであれば、もう一段勉強が必要です。

 

やはり、本番の試験では、過去問では問われなかったような観点の問題が出題される可能性もあります。

そこで、テキストや出題範囲に関連する資料を読み込んだり、そこで得た知識を自分なりにまとめることで、対策を強化します。

 

本試験の出題比率は、だいたい

  • 特許:35%
  • 著作権:25%
  • 商標:13%

のようになっています。

従って、出題比率が高い特許や著作権(この2つが全体の約60%を占める)を優先して勉強を進めるのが良いでしょう。

 

特に、著作権は2級試験の合格のカギとなる分野だと個人的には思っています。

なぜなら、著作権の問題は全体に占める割合が25%程度と、特許に次いで出題比率が高く、且つ実務で扱っている人が少ないためです。

 

私も正直著作権はあまり得意ではなく、知識はあやふやなまま本番に臨んで痛い目にあいました・・・。

(余談ですが、著作権は弁理士試験の試験範囲には入りますが、短答試験でちょろっと問われる程度ですし、実務でもあまり扱わないので、弁理士でも著作権に疎い人は結構多いです。)

 

というわけで、著作権の問題を優先的に対策していくのも、やり方の一つだと思います。

 

マイナーな分野への対応

知財検定2級は出題範囲がかなり幅広いのが特徴です。

特許・意匠・商標・著作権などのメジャーな分野の他に、不正競争防止法、民法、独禁法、種苗法、弁理士法などのマイナーな法域からも出題されます。

 

これらは、本試験における出題比率は低く、数問程度ですが、万全を期すのであれば、これらについてもある程度対策が必要です。

といってもこれらの分野は問われる観点が固定的で、過去問と似たような問題が問われる印象があるので、過去問をしっかり復習した上で、テキストの関連するところを読んでおくと良いでしょう。

 

本番と同じ形式での演習を繰り返して完璧に!

最後の仕上げとして、本番を意識した問題演習を行います。

具体的には、本番と同じように時間を測って問題集に付属の模擬試験や、公式サイトに掲載の過去の試験問題を、通しで解くという演習を行います。

 

やはり、本番は制限時間内にまとまった量の問題を解かなければならないので、時間感覚に慣れておく必要があります。

試験時間内に全ての問題に回答し、余裕をもって見直しまでできるようになっていれば、準備万端です!

 

実技試験の対策

知的財産管理技能検定2級は学科試験と実技試験に分かれています。

学科試験は一問一答形式であるのに対し、実技試験はある程度長文の事例を読んだ上でそれに関する問題が出題される、という違いはあります。

 

しかし、いずれの試験も出題範囲は同じですし、問題を解いている感覚としてはそこまで大きな違いは無く、実技試験に特化した対策は必要ないと思います。

もし実技試験の事例問題が不安であれば、「2級実技スピード問題集(実技)」のように、実技試験の問題に特化した問題集を解いて、形式に慣れておくと良いと思います。

 

知的財産管理技能検定3級も基本的なやり方は2級と同じ

知的財産管理技能士3級の場合も、基本的な勉強の進め方は2級試験と同じです。

難易度的にはもちろん3級のほうが簡単なのですが、出題範囲や試験の形式は2級とあまり変わらず、単に問題が簡単になったという違いしかないためです。

テキスト・問題集も3級用のものがありますが、もし将来的に2級を受験するつもりであれば、最初から2級用のテキスト・問題集を揃えておけば良いと思います。

 

知的財産管理技能士2級の教材・テキスト

参考書のイメージ

知的財産管理技能士の中でも、2級は一番ポピュラーであるため、市販されている教材もけっこう種類があります。

その中でも、おすすめの教材をご紹介します。

テキストはアップロードの完全マスターシリーズがおすすめ

まず、知的財産管理技能士2級の勉強に必要となるのがテキストです。

2級試験のテキストは何種類か市販されていますが、検討に値するのは、公式テキストか、アップロードの完全マスターシリーズのどちらかです。

公式テキスト

公式テキストの方は、その名の通り、本検定試験を主催する知的財産教育協会が作成したテキスト。

特徴としては、2級試験の出題範囲が1冊にまとめられているという点。

中身も内装もシンプルで、出題範囲をカバーするための最小限の情報が収録されているというかんじです。

完全マスターシリーズ

一方、アップロードの完全マスターシリーズは、公式テキストに比べると情報量が多く、テーマ別に3巻に分かれていてボリュームがあります。

個人的には、こちらの完全マスターシリーズを購入して、わからないところを辞書的に引くのが良いと思います。

また、テキストがテーマ別に分かれているので、例えば、

特許は実務でやるから詳しいので、著作権を集中的に対策したい

という方などは、著作権の巻だけを揃えて勉強する、という使い方にも適していますね。

 

過去問題集はアップロードの一択

2級試験の過去問題集は、本試験の過去問を分野別に収録したもので、こちらを解きつつ過去問を完璧にしていくのが王道の勉強法です。

過去問題集としては、アップロードの「知的財産管理技能検定2級 厳選過去問題集」が良いでしょう。

各問題の解説が丁寧ですし、巻末には、学科試験と実技試験の演習問題(本番と同じ形式)が収録されており、本番を想定した演習できるようになっています。

また、巻頭には、過去の2級試験の出題比率の分析等があり、かなり参考になります。

 

なお、現時点において、知的財産教育協会から公式の過去問題集は出版されていません。

 

2級試験は、基本的には過去問を完璧にすれば十分合格できる試験なので、実務能力に自信がある人は、この過去問題集で過去問を解くだけでも良いかと思います。

 

オンラインの対策講座

上で書いたように、知財検定は公式のテキスト及び問題集で勉強するのが一般的ですが、「独学で合格できるか不安・・・」という方には、資格予備校がやっている対策講座もあります。

特に、知財の実務経験が浅く、テキストのインプットだけでは不安な方は、オンライン講座を検討してみると良いでしょう。

 

知的財産管理技能士2級のオンラインの対策講座は、弁理士試験でもおなじみのLEC(東京リーガルマインド)とオンライン特化の資格予備校のSTUDYing(スタディング)があります。

 

とくに、STUDYingは、知財検定の対策講座の受講料が¥18,500(税別)と、LECの講座の半額以下。

比較的安価に試験対策ができますし、オンライン動画はマルチデバイスに対応しているので、時間や場所の制約を受けずに勉強できるのもメリットです。

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まとめ

というわけで、知的財産管理技能士2級の勉強法については、

  • まずは特許と著作権を優先して勉強する(特に著作権は要注意)
  • 過去問題集をメインに、アウトプットを意識して勉強する
  • 時間を測って本番形式の演習をしっかり行う

ということを意識して勉強を進めましょう。

 

また、2級試験の教材については、

をご紹介しました。

 

知的財産管理技能士2級は、しっかり対策すれば合格できる試験なので、ぜひともチャレンジしてみてください!

 

なお、最上位資格である、知的財産管理技能士1級(特許業務専門)の勉強法については、「知的財産管理技能士1級|特許専門業務の勉強法と教材」という記事で書いています。

知財検定1級の受験生のイメージ 知財検定1級(特許専門業務)を目指す!教材集めが合格のカギ

 

知的財産管理技能士の全体的な試験制度や難易度については、「知財検定の難易度ってどれくらい?試験制度や受験資格などもご紹介」という記事で解説していますので、あわせてを参照してください。

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