転職時の企業選びで考えたこと

公開日: : 最終更新日:2018/06/16 知財の仕事・キャリア , ,

大手メーカーの知財部から、今勤めている会社に転職してから2年ほど経ちました。

前のブログに転職直後に書いた記事がありましたので再掲したいと思います。

テーマは、転職活動の企業選びに際して、私が考えたことについて。

 

メーカーの知財部は検討候補から除外

私が転職をしようと決めた大きな理由の一つが、特許権利化だけでなくもっと知財の幅広い仕事をしたいというものでした。
(前職では、特定分野の特許権利化をひたすらやるかんじでした。)

そこで、転職エージェントから紹介された案件の中から応募する企業を選ぶにあたって、以下の様なことを考えました。

まず、大手メーカーの知財部は候補から外すことにしました。

大手メーカーであれば、おそらく仕事が細分化されており、現職と仕事内容が大して変わらないだろうから、転職する意味があまり無いと考えたためです。

また、特許事務所も権利化業務にさらにフォーカスしていくことになるだろうから、自分には合わないと思い、候補から外しました。

 

そうなると、残ったのは、比較的小さな企業の知財部(法務部)ということになります。

ただし、あまりにも企業の規模が小さくなると、そもそも会社に知財業務が存在しない場合が多くなります。

知財業務が無いことを承知で法務部に行くという手もありますが、さすがに今さら純粋な法務をやるのもなんだかなぁという気がしていました。

というわけで、大きい企業にいけば現職とあんまり変わらないし、小さすぎても知財の仕事ができないということで、そこらへんが丁度いい応募先を探すというのが結構難しいところでした・・・。

 

この様な微妙なバランスを考慮すると、求人案件の中からいわゆるIT系企業がピックアップされてきました。

IT系企業は創業して間もないところが多いため、まだ規模が比較的小さく、且つ急成長している会社が多いので、採用意欲が旺盛です。

加えて、近年、アメリカのIT業界等で特許訴訟が頻発していることから、知財人員を増強しようという意図があるようです。

そして、何よりも企業として知財に取り組み始めてから日が浅いため、自分のような若造が行っても色々チャンスがありそうなところが惹かれました。

 

一方で、必ずしも知財業界に縛られる必要も無いんじゃないのかとも考えました。

一応、未経験でも異業種に移れるギリギリの年齢ということで、知財以外の業界も検討することにしました。



“"

 

このタイミングで知財業界から離れるか?

自分は、学生時代に弁理士の勉強を始めて以来、ずっと知財業界に身を置いてきました。

そして、弁理士試験に合格し、新卒でメーカーに入って5年近く知財実務を経験しました。

普通であれば、ここまで積み上げた知財のキャリアを捨てる手は無いのですが、ここにきて、「本当にこのまま生涯知財の仕事をやることになっていいのだろうか?」という迷いが生じたわけです。

 

当時の自分の年齢は、30歳手前・・・。

年齢的に未経験の分野に移れる最後のチャンスです。

せっかく転職活動をやるんだから、後悔はしたくない。

だから、知財に縛られずに、自分の興味のある業界は全て受けよう!と決意しました。

 

では、知財以外にどんな仕事に興味があったかというと、一つは経営コンサルです。

自分は、企業の経営についても興味があり、それに関われる仕事もいいなぁと思っていました。

その理由は以下の通りです。

企業で知財の仕事をやっていくうちに、特許権利化だけでなく、事業を有利に進めるために知財をどう取得し、どう活用していくかという知財戦略的なことに興味を持つようになりました。

しかし、知財戦略を考えるための前提条件として、企業としての経営戦略が定まっていなければ、知財戦略が成り立たないということに気付いたわけです。

そうすると、知財戦略よりも上位である経営戦略に係わる仕事の方が面白いんじゃないかと思うように なったわけです。

 

そのきっかけとなったのが、数年前にやった知財コンサル育成研修です。

その研修では、ベンチャー企業に対しての知財コンサルに関わりましたが、その時、企業の将来にインパクトを与えるのは経営戦略であり、知財戦略は経営戦略の中の一要素に過ぎない、ということを痛感しました。

じゃあ、経営戦略に係わる仕事って何があるかというで調べていくと、企業の企画部や経営コンサルがあるということがわかりました。

その中でも、経営コンサル、特に戦略コンサルは、企業の全体戦略に係わる機会が多いという話を聞きます。

そんなわけで、企業の知財部(法務部)に加えて、コンサルティングファームも受けることにしました。

 

その他にも、知財の仕事かどうかに関わらず、興味のある案件はとりあえずピックアップし、結局、以下の様な業界(職種)を受けることにしました。

  • IT系企業の法務部、知財部
  • 経営コンサル
  • シンクタンク
  • M&Aアドバイザリー

こうして見ると非常に節操の無い企業選びをしていますね(笑)

ちなみに、シンクタンクを受けようと思った理由は、調査関係の仕事で理系の知識が活かされるケースがあり、コンサルティングも行っているので、経営戦略の立案にも関われるのではないかと考えたからです。

また、M&Aアドバイザリーを受けようと思った理由は、近年、企業が特許ポートフォリオの強化を目的として買収をするケースが出てきており(Googleによるモトローラ買収の事件等)、今後M&Aの業界で、知財のバックグラウンドを持った人間が重宝されるのではないかと考えたからです。

しかしながら、シンクタンクとM&Aアドバイザリーは、面接を受けたかんじでちょっと違うなと感じたし、先方からもやはり適性が無いという判断をされて、早々に落ちました。

一方、IT系企業の法務部とコンサルティングファームについては、順調に選考が進んでいきました。

 

最終的にIT企業に転職

転職活動を始めて数ヶ月が経った2012年の春。

私はあるIT企業からオファーを頂き、それを受けることに決めました。

それに伴い、コンサルティングファームは途中で辞退しました。

こうして、私の初めての転職活動は終了しました。

 

散々悩んだ挙げ句に、結局知財業界からは離れなかったのですが、理由としては、やはり数年間かけて積み上げた専門性を捨てたくなかったし、なんだかんだ知財の仕事が性に合っているなと感じたからです。

あと、当時、コンサルティングファームの経験者が次のキャリアとしてIT企業に入っているという話も聞いていたので、IT企業に行けば多少それっぽい雰囲気も味わえるかな?と考えたことも、理由としては無きにしもあらずです(笑)

 

そんなわけでちょっとだけ遠回りしたのですが、知財業界に限らず、自分が興味のあるそれ以外の業種も検討した上で、結論を出したことは良かったと思っています。

結果として、また知財に関わる仕事になりましたが、ちゃんと自分が興味を持っていた会社・業種を見て回った上での選択だったので、非常に満足のいく転職活動となりました。

もし転職活動をすることになったら、やはりそれは人生の大きなターニングポイントになると思われますので、色んな可能性をじっくり検討するべきだと思います。

転職を考えている方のご参考になれば幸いです。

 

なお、転職で企業の知財部を検討している方は、下記の記事もご参考に!

知財部に転職するためにはどうすれば良いか?



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Comment

  1. yy より:

    こんにちは。。
    久しぶりに転職の話題、
    結構ほかのところでも、たとえば、徒然知財時々日記さんでもありました。
    結構キャリアプランとして、難しい問題ですね。
    長期の目標が合って、中期の目標がないと
    いけないのか、
    何も考えずに人生を送るのが良いのか
    難しいの一言
    といってよいのか
    悩みは尽きない、
    では。。

    • umegreat より:

      yyさん

      コメントありがとうございます。

      徒然知財時々日記さんの記事も拝見致しましたが、自分とはまた異なる視点で書かれていて興味深かったです。
      今までの自分は如何に経験値を貯めるかという観点でしかキャリアプランを考えておらず、最終的にそれをどうまとめるのか?というところまでは考えが及んでいません。
      本当に難しい問題です。

      • yy より:

        再度。。
        とりあえず、
        経験値を高めることが第1歩でしょう。
        次は、経験値を行かせる環境、機会が
        くるかどうか。
        その意味では、運が良くないといけないのかな。
        いずれにせよ。遠い目標をたて、それ実現する実行計画を立てることになりますね。
        では。

        • umegreat より:

          そうですね。
          チャンスというか、めぐり合わせみたいなものがあるか。
          貯めた経験値が活かせる日が来ることを前提にしてがんばるしかないと思います。

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