弁理士は国家資格の中でも難易度が高い資格と言われています。
そのため、多くの受験生は、どこかしらの資格予備校に通いますが、中には資格予備校に通わずに独学で合格を目指そうと考えている方もいるかと思います。
そこで、この記事では、
独学で弁理士試験に挑戦しようかと思ってるけど、大丈夫かな?
という人に向けて、独学で合格することが現実的であるかや、独学での勉強の進め方などについて解説します!
ちなみに、これを書いている私は、資格予備校大手のLECに通い、弁理士試験に一発合格した経験があります。
なので、独学で合格したわけではありませんが、どういう過程で勉強を進めればよいかは理解しているので、お役に立てるかと思います。

独学で弁理士を目指すことは現実的?
まず、独学で弁理士を目指すことは現実的なのかを考えてみたいと思います。
正直なところ、以下に述べるように、独学で弁理士を目指すのは全く不可能では無いにせよ、茨の道であることはまちがいありません。
多くの受験生は予備校の弁理士講座を受講する
まず、事実として、ほとんどの弁理士受験生は、どこかしらの資格予備校の弁理士講座を選択します。
私自身もLECの弁理士講座に通いましたし、私の周りを見てもほとんどの方がどこかしらの資格予備校を使っています。
何故かというと、単純に弁理士試験は独学で挑戦するにはあまりに難しいからです。
弁理士試験は合格率が低く難しい
以下のように、弁理士試験の最終合格率は、例年7%前後で推移しています。
なお、他の難関資格の合格率を見てみると、例えば、
- 司法試験:29.1%
- 公認会計士:11.1%
- 司法書士:3.3%
となっています。
(いずれも2018年度のデータ)
司法試験のように、受験資格が制限されているものもあるので、単純な比較ができないですが、最終合格率が1桁台というのは、日本の国家資格の中でもトップクラスの難しさです。
試験の内容も難解
試験で問われる内容もかなり難解です。
まず、弁理士試験で出題される主な法律としては、
- 特許法
- 実用新案法
- 意匠法
- 商標法
- 著作権法
- 不正競争防止法
- 条約
が含まれており、試験で問われる法域がかなり広いです。
そして、法律の内容や例外についてかなり細かいところが問われますし、関連する判例や学説などの知識も求められます。
また、弁理士試験は、
- 短答試験:マーク式の択一試験
- 論文試験:特許法などの問題について答えを論述する試験
- 口述試験:試験官の質問に口頭で回答する試験
大きく以下の3つの試験から構成されます。
そのため、論文や口述では、法律知識だけでなく、文章を論述したり口頭で回答する能力も求められます。
総合すると、独学での受験は茨の道
上で述べたように、弁理士試験は、
- 国家資格の中でもトップクラスに難しく、合格率は一桁台
- 試験範囲が広く、法律のかなり詳細な知識が問われる
- マーク式だけでなく、論述や口述もある
という試験であり、独学で目指すにはかなりハードルが高いです。
私の経験からしても、予備校の講義無しで、自力で法律の正確な内容を覚えるのは相当厳しいと思います。
というわけで、独学で弁理士を目指すのであれば、それが茨の道になることを覚悟しておくべきです。
独学だと合格までに何年かかる?
仮に、独学で弁理士を目指した場合、合格までに何年かかるのでしょうか?
残念ながら、独学の人を対象にした統計データというのは存在せず、実際に独学の人が平均して何年くらい合格までにかかっているのかを知ることはできません。
ただ、ヒントとなるデータはあります。
下のグラフは、2019年度の弁理士試験の最終合格者の受験回数の分布になります。
受験回数1〜5回がボリュームゾーンで、最終合格者の約70%となります。
合格者の受験回数を平均すると4.07回となります。
ちなみに弁理士試験は、丸1年間みっちり勉強してから初回の試験に臨むのが普通なので、それを加味すると平均して合格までに5年間かかると言えます。
上記のデータは、資格予備校に通っている人も含んでの数字なので、独学の人はもっと時間がかかると考えたほうが良いでしょう。
そうすると、独学で弁理士を目指した場合に合格までにかかる年数は、
良くて平均並みの5年か、それ以上の年数
を覚悟しておかなければなりません。
なぜ独学なのか?
ちょっと話が横道にそれますが、独学で弁理士を目指そうとしている人は、どういった理由でその考えに至ったのでしょうか?
おそらく、弁理士試験を独学で受けようとしている人は、
- 弁理士試験の難易度を正確に理解していない
- 知財の実務経験があるから大丈夫だと思っている
- 弁理士講座の受講料が高過ぎて引いてしまった
- 予備校の力に頼らず、自力で合格したい
のどれか(もしくは複数)に当てはまるのではないかと思います。
1.弁理士試験の難易度を正確に理解していない
弁理士についての情報収集を始めたばかりで、弁理士試験の難易度について正確に理解しておらず、「独学でいけるでしょ!」と気楽に考えているパターン。
たしかに、世の中の多くの資格は独学で十分合格可能なものが多いです。
例えば、私は過去に知的財産管理技能士1級や応用情報技術者などの資格試験を受けましたが、特に受験機関の力を借りず独学で資格を取りました。
でも、上で述べたように、弁理士試験は普通の資格とはちょっと次元が違います。
難関大学を出た人たちがガチで勉強して何年もかかる試験なので、独学でなんとかなるという考えは改めたほうが良いでしょう。
2.知財の実務経験があるから大丈夫だと思っている
日々の仕事で特許や商標を扱っており、ある程度知識があるから独学でも大丈夫だと思っているパターン。
たしかに、知財の実務経験があれば、理解しやすい部分はあるでしょう。
しかし、弁理士試験はあくまで法律試験であり、普段の実務ではほとんどお目にかからないようなポイントもガンガン問われます。
また、試験範囲が特許、商標、著作権など多岐にわたるため、実務で全ての領域を扱っている人はほとんどいないでしょう。
なので、知財実務をやっているから独学でいける、というものでもありません。
3.弁理士講座の受講料が高過ぎで引いてしまった
「一旦、資格予備校の弁理士講座を検討してみたけど、受講料が高過ぎて引いてしまった・・・」という人も多いかと。
例えば、弁理士試験の予備校で一番有名なLECだと、基礎講座が定価で50万円近くしたりするので、
こんなにお金がかかるんだったら独学でいいや・・・
となる気持ちもまあわかります。
ただ、上で述べたように、現実的に独学での合格は非常にハードルが高く、独学でがんばったけど結局合格できなかったでは元も子もありません。
合格までにかかる時間を短縮するという意味でも、最低限の先行投資は必要だと思います。
最近だと、オンライン特化の資格スクールである資格スクエアやSTUDYing
が安価に弁理士講座を提供しているので、そのあたりを検討してみるのはいかがでしょうか?
受講料は、
となっており、既存の資格予備校に比べるとだいぶお手頃になっています。(あと、キャンペーンをうまく使えば、もうちょっと安くなります)
弁理士講座については、「弁理士の通信講座選びの5つの観点はこれ!【予備校比較2020年】」で、各資格スクールの特徴や料金を詳しく比較しているので、ぜひ参考にしてみてください!

4.予備校の力に頼らず、自力で合格したい
「己の実力で勝負したいので、あえて受験機関の力を借りずに独学で挑戦したい」という奇特な方もいるかもしれません。
もし、本当にそういった強い意志があるなら、もはや何も言うことはないですね・・・。
わずかにですが、独学で合格したという人も聞いたことがありますので、己の道を突き進んで頂ければと思います。
以下に、私なりに独学で勉強をどう進めれば良いかを書いているので、参考にしてみてください。
独学で弁理士試験に合格するためには?
そんなわけで、私としては独学はおすすめしませんが、諸々の理由で、
どうしても独学で弁理士を目指したいんだ!
という人もいるでしょう。
そんな方に向けて、私なりに独学での勉強の進め方を考えてみたので解説します。
なお、基本的な勉強法については「【決定版!】弁理士試験に一発合格するための勉強法」で詳しく書いているので、こちらもご覧ください。

独学で必要な教材を揃えよう
まず、弁理士試験の勉強を始めるにあたって、下記の教材を揃えます。
- テキスト
- 短答試験の過去問題集
- 弁理士試験用の法文集
テキスト:TACの弁理士試験エレメンツ
まず、弁理士試験で必要となる知識のインプットをするために、テキストを揃えなければなりません。
市販されている弁理士試験用のテキストだとTACから出されている「弁理士試験 エレメンツ」があります。(というか、それ以外に選択肢がありません)
弁理士試験エレメンツは、
の3冊に別れていますので、全て揃えましょう。
短答試験の過去問題集:LECの体系別短答過去問
弁理士試験の勉強においては、「過去問に始まり過去問に終わる」と言われるくらい、過去問が大事。
まずは、第一関門となる短答試験用の過去問題集を揃えましょう。
「弁理士試験 体系別短答過去問」は、大手資格予備校のLECが出版する短答試験の過去問です。( 過去10年分の本試験の過去問を収録 )
法律のテーマごとに過去問が収録されており、解説も丁寧です。
の2冊に別れていますが、漏れなく購入しましょう。
弁理士試験用の法文集:PATECH企画の法文集
法文集は、特許法などの弁理士試験に出題される法律がまとめられたもので、弁理士試験の勉強に必須です。
弁理士試験用の法文集はいくつか出版されていますが、PATECH企画の「知的財産権基本法文集」がおすすめです。
知的財産関連の法律はもちろんのこと、民法や民事訴訟法の抜粋もついているので、弁理士試験に必要な法律の全てが網羅されています。
最終的には、上記以外の参考書等も揃える必要がありますが、とりあえずはこの3点で大丈夫です。
なお、弁理士試験で必要な参考書については「弁理士試験の参考書・基本書はこれ!【必須度もあわせてご紹介】」で詳しく解説しています。

テキストでインプットし、早めに過去問に取りかかる
教材を揃えたら、テキストを読んでいきましょう。
そして、テキストがある程度区切りのいい所(例えば、章が1つ終わったら)、短答試験の過去問を解いてみることをおすすめします。
例えば、
テキストで特許法の新規性についての章を読み終わったら、過去問題集の特許法の新規性の問題を解いてみる
というかんじです。
と言っても、最初のうちはほとんどの設問でチンプンカンプンだと思うので、少し考えてみてから答えの解説を読むくらいの気持ちで大丈夫です。
狙いとしては、「本試験でどのようなポイントが問われるか」の感覚を早く身につけるためです。
資格予備校の講義を受ける場合は、講師が折に触れて本試験で問われやすいポイントを解説してくれますが、独学の場合はそういった機会がないため、自分で感覚を磨く必要があります。
テキストを全部読み切ってから、過去問に取りかかればいいという考えもありますが、私としては、できるだけ早く過去問に触れておいたほうが良いと思います。
上記のように、テキストと短答過去問を同時並行で進めて、できれば4ヶ月、遅くとも半年以内には、全ての範囲を一旦完了させたいところです。
過去問を回す
テキストを読む+関連する過去問を解くが一通り終わったら、今度は短答過去問題集を最初から解いていきます。
ここで大事なのは、設問の選択肢の1つ1つについて、解説を読み込んで内容を確実に理解していくことです。(答えが合う合わないは二の次)
法文集で対応する条文を読んだり、テキストで対応する箇所を読み直したりして、理解を深めていきます。
過去問を解き終わったら、今度はできなかった問題を中心にまた解いていきます。
これを、全ての問題に正解できるまで繰り返します(このことを過去問を回すといいます)
本番形式での練習
短答試験が近づいてきたら、本番と同じように、3時間半の時間を測って60問を一気に解くという練習をします。
短答試験は意外と時間の余裕が無く、ちょっと迷っていると、あっという間に時間が足りなくなってしまいます。
本番形式の練習を繰り返して、どれくらいのペースで解けば余裕をもって最後までいけるか、という時間感覚を体に染み込ませます。
あと、例年、春くらいになると、各予備校で短答模試が開催されているので、それを受験して場数を踏むのも良いでしょう。
論文試験の勉強は?
以上、短答試験の勉強中心で述べてきましたが、論文試験の対策もしなければなりません。
しかし、とりあえずは短答試験に合格することに集中すればいいと思います。
短答が終わってから短期集中で論文の対策をしても良いですし、短答に合格すれば、翌年は短答試験が免除になるので、1年間論文の勉強に集中する、という進め方もできます。
独学での勉強に行き詰まってしまったら
というわけで、独学での勉強の進め方をざっと解説しましたが、実際に独学でやってみて、うまくいかないことも多々あるでしょう。
テキストを読んでも中々内容が頭に入らなかったり、法律を体系的に理解することができなったりするかもしれません。
どうしても独学だと、本試験に出やすいポイントを見据えた学習が難しいです。
独学での勉強に行き詰まってしまった場合、オンラインの資格スクールを利用するのも手です。
特に、独学の弁理士受験生におすすめしたいのが、STUDYing(スタディング)です。
- 受講料定価:74,000円(期間限定で64,000円(税抜き))
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- 合格者も出ている模様
STUDYing(スタディング)はオンラインに特化した資格スクールで、その特徴は受講料が業界最安値であることです。
最安値といっても、元大手予備校出身の講師がしっかりと講義しているので、一定のクォリティは担保されています。
講義動画はオンラインで視聴することができますし(マルチデバイス対応)、オンライン問題集などの機能もあって、時間や場所に縛られずに学習を進めることができるのも魅力。
STUDYingの合格体験記を見てみると、何年か独学で勉強した後、途中からSTUDYingを利用して合格したというコメントがありますね。
STUDYingだと74,000円という低価格で、ベテラン講師の講義が受けられ、且つオンラインのシステムによって時間や場所を選ばず学習を進めることができます。
これは従来では考えられないくらい、コスパが優れています。
このサービスを使えば、独学でやるよりもインプットの効率がはるかに上がり、結果、独学でやるよりも確実に合格の可能性が上がります。
まずは、下記から登録して、是非STUDYingのコスパの素晴らしさを体験してみてください!
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まとめ
というわけで、独学での弁理士合格が現実的であるかや、独学での勉強の進め方などについて書いてきました。
まとめると、
- 弁理士試験は合格率が低く、試験内容も難しいので、独学だとかなり厳しい
- 独学で弁理士を目指した場合、5年以上の年数がかかるかも
- 資格予備校の受講料の高さがネックになっている場合は、オンラインの資格スクールを検討してみよう
- 独学で進める場合は、教材は「弁理士試験 エレメンツ」、「弁理士試験 体系別短答過去問」、「知的財産権基本法文集」を揃えよう
- テキストを読みつつ、早めに過去問を解く、その後は過去問を回す
ということですね。
また、「やはり独学だと無理そう…」となった方におすすめの資格スクールとして、STUDYing(スタディング)を挙げました。
もし興味を持たれた方は、「STUDYingの弁理士講座の評判は?|実績はこれからだがコスパ高し」をぜひご覧ください!
実際にSTUDYingを使ってみた上で詳細をレビューしていますので、STUDYingを検討している方には必ず参考になる内容となっています。

弁理士試験のおすすめ参考書は?
弁理士の勉強を始めたばかりの初学者うちは、どういう参考書を揃えたらよいか迷うもの。
予備校のテキストを使うにしても、過去問題集や法文集は最低限自分で揃えなければなりませんが、本屋にいくと弁理士試験対策を謳う本が溢れていて途方に暮れてしまったという方も多いのではないでしょうか?
弁理士試験のおすすめの参考書については「弁理士試験の参考書・基本書はこれ!【必須度もあわせてご紹介】」を参考にしてみてください。
とくに初学者に向けて、弁理士試験で揃えておくとよい参考書を解説しています。

弁理士講座はどう選ぶ?
この記事を読んで、「やっぱり、資格予備校に通うか」と思った方は、「弁理士の通信講座選びの5つの観点はこれ!【予備校比較2020年】」を参考にしてみてください。
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下記の記事では、弁理士講座の選び方のポイントや、弁理士講座を提供する全予備校について特徴をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください!

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