知財部に向いている人は?成果を出すための4つの資質

資質のイメージ

知財部での業務は一種独特なところがあり、これに合わない人は結構しんどい思いをすることになります。

まあ、仕事によって適正があり、それに合わないとしんどいというのは、知財に限った話ではないんですけどね。。

 

では、企業の知財部にはどんな人が向いているのでしょうか?

 

私は企業知財の仕事にかれこれ10年以上携わっていますが、以下の資質がある人は知財部向きなんじゃないかなと思います。

知財部向きの人
  1. 論理的である
  2. 理解力が高い
  3. 文章大好き
  4. 人並みにコミュニケーションできる
順に説明しましょう!

 知財部に向いている人が持っている資質

以下の4つの資質を持っている人は、知財部員に向いていると思います。

その1:論理的である

論理的な人のイメージ

知財の仕事をやる上で論理的であることは大事です。

要は、根拠に基づきながら、相手を納得させる様な議論ができるかということですね。

 

知財の業務では、相手(審査官、裁判官、交渉相手、訴訟相手等)に対して自分の主張を通さなければならない場面がしばしばあります。

その際に、相手を納得させるためには、何らかの根拠に基づいた説得力のある議論をすることが不可欠です。

「おれはこう思うんだ!」と熱く語ったところで、根拠が無いと誰も話を聞いてくれません(笑)

 

明細書作成にしてもそうですよね。

本発明は構成A及び構成Bにより効果aが得られる。

何故なら構成Aと構成Bが〇〇のように作用するからである。

さらに、上記の効果は実験によっても実証されてる。

みたいに、明細書は論理的な構成になっています。

すなわち、明細書などの特許に関する文章を書く際には、論理構成を意識する必要があるわけです。

 

というわけで、まず、論理的な思考や説明ができる人は知財部に向いていると言えます。

逆に、「わたしは理屈っぽいのはキライよ!」とか、「おれは感性で生きているんだ!!」みたいな人は向いてないかなぁと(笑)

その2:理解力が高い

理解力のイメージ

知財の業務では、人の話を聞いて理解するというプロセスがかなり発生します。

例えば、特許出願の際には発明者から発明の内容を聞いて、それを理解する必要があります。

このとき、どれだけ発明の内容が理解できるかで、明細書のクォリティーが決まってきます。

(もちろん、自分が理解できるまで、発明者にしつこく食い下がることもできますが、あんまり飲み込みが悪いと愛想を尽かされてしまいます。)

 

また、知財の業務では、研究者や開発者と比較して、幅広い技術分野を担当することになる場合が多いです。

従って、自分があまり詳しくない技術分野に当たっても、開発者の話を聞いたり、専門書やインターネットを漁ったりして、ある程度まで技術知識をキャッチアップしなければなりません。

 

さらには、特許法の改正とか、諸外国の実務状況とか、頭に入れるべきことは山ほどあります。

従って、理解力に優れていることは、知財の仕事をやる上でかなりのアドバンテージになりますね。

その3:文章大好き!

文章のイメージ

文章を読むのが苦にならない人も知財の仕事に向いています。

理由は単純。

知財の仕事は、文章を読んで読んで読みまくる仕事だからです・・・。

 

特許明細書というものは

最先端技術(?)について、(やたらと)難解且つ冗長に説明した文章

であるわけです。

知財の仕事をする以上、この小難しい文章を大量に読むことからは逃れることはできません。

 

明細書だけではありません。

それ以外にも、

  • 審査官からの拒絶理由通知
  • 意見書、補正書
  • 論文や専門書等の技術文献
  • 特許法等の条文
  • 裁判所が出す判決文

エトセトラエトセトラ・・・・。

あなたが知財部員になった瞬間から、もれなく文章漬けの日々が約束されます(笑)

だから、文章が大好き!というほどではないにしても、少なくとも文章を読むことが苦にならないというのが望ましいです。

 

あと、読むだけじゃなくて文章を書くことも重要です。

自分の考えを的確に文章に落とし込む力とか、単純に文章を書くスピードなんかがあると素晴らしいですね!

その4:人並みにコミュニケーションできる

コミュニケーションのイメージ

企業の知財部であれば、仕事上、開発者や事務所の弁理士などとコミュニケーションする機会が頻繁にあります。

このとき、あまりにも人とコミュニケーションできないと、「こいつ大丈夫か?」となってしまいます。

 

まあ、知財部員というのは、一般企業に勤めるサラリーマンなわけですからね。

やはり人並み程度のコミュニケーションは取れる必要がありますよね。

(ちなみに、特許事務所だと企業よりもコミュニケーションに難がある人が結構いるという噂は聞きます)

 

ここで、「コミュニケーションできる」というのは具体的にどういうことなんでしょうか?

私の個人的な意見としては、以下の様なことができれば、コミュニケーションができてる人というイメージです。

  • 人の話をちゃんと聞いて、聞かれたことに答えられる
  • 言うべきことを相手に伝えられる
  • 適切な質問ができる
  • 不用意に相手に不快感を与えない

 

なお、これも個人的な意見になりますが、知財部においては、コミュニケーション能力は人並程度あれば良いかなと思います。

もちろん、コミュニケーション力が高いに越したことはないのですが、それほど高いレベルがなくても別の資質で補える仕事だと思っています。

(まあ、知財の業務の中でも何を担当するかによるんですけどね。。)

まとめ

というわけで、知財部に向いている人の資質として、以下の4つを挙げてみました!

知財部向きの人
  1. 論理的である
  2. 理解力が高い
  3. 文章大好き
  4. 人並みにコミュニケーションできる

 

もちろん、仕事というのは様々な能力が複雑に関連しているので、上記の資質があれば100%OKというわけではありません。

あと、同じ知財の仕事とはいえ、所属する企業やどんな業務を担当するかによって、重視される資質も変わってくるんで、あくまで一般論ということで。

何らかのご参考になれば、幸いです!

 

なお、知財部の仕事内容については、下記の記事に詳しく書いたので、是非参考にしてみてください!

私が大企業の知財部員だったころの一日のスケジュールも公開しています(笑)

企業知財部のイメージ知財部の仕事内容は?|ある担当者の一日を紹介します〜

 

企業の知財部に興味があって、就職や転職を検討している方は、下記の記事が参考になると思います。

知財部への転職が難しいと言われる理由や、知財部に入るための方法論を書いていますので、こちらもぜひ!

ハイクラスエージェントのイメージ知財部への転職はなぜ難しいのか?【採用担当者が理由を解説します】