知財検定1級(特許専門業務)を目指す!教材集めが合格のカギ

知財検定1級の受験生のイメージ

知的財産管理技能士は、知的財産に関する実務能力を評価する国家資格で、知財関係者を中心に受験されています。

その中でも、知的財産管理技能士1級は、難易度が高く、かなりの実務的知識を要求される試験。

2級試験に合格してさらに上を目指したい人や、実務能力に腕の覚えがある人が受験します。

 

私も過去、2級試験に合格した後に、さらに上位資格にチャレンジしたいということで、1級試験(特許専門業務)を受験し、なんとか合格を果たしました。

そのとき感じたのは、

1級試験の試験対策をするのは難しい・・・

ということです。

特に、試験に関する情報が少なく、どういう教材を使って勉強したらよいかわからない、というところに苦戦しました。

 

というわけで、この記事では、知的財産管理技能士1級の勉強法やどんな教材を使ったらよいのかについて書いてみたいと思います!

(主に特許専門業務についての記事になります。)

 

なお、知的財産管理技能士2級の勉強法については、「知的財産管理技能士2級の勉強法|テキストや受験体験も紹介します」という記事を参照してください。

2級試験の勉強のイメージ 知的財産管理技能検定2級の勉強法|テキストや受験体験も紹介します

 

知的財産管理技能士1級(特許)の攻略法

攻略法のイメージ

知的財産管理技能士の1級試験ともなると、受験者は知財実務に腕の覚えがあるエキスパートに限られます。

2級試験の受験者数は、年間で6000人程度いるのに対し、1級試験(特許)はわずか500人程度。

 

そのためなのか、試験に関する情報がかなり少なく、市販のテキストすら無いという状況です・・・。

基本的には、過去問で問題の傾向を把握しつつ、自分の知識が足りないなと思う分野について、自分で教材を見つけて勉強する、というかんじになります。

以下、具体的な勉強の進め方を解説します。

 

1級試験の過去問題集で傾向を把握する

1級試験の勉強でまずやるべきことは、1級試験の過去問題集を揃えて、実際に解いてみることです。

 

1級試験の過去問題集については、コンテンツシティ出版から出ている「知財検定1級特許専門業務 最新過去問題」があります。

4回分の本試験の過去問が収録されており、解答と解説を掲載。

実際のところ、1級試験対策として市販されている教材としては、上記が唯一無二の存在です。

貴重な情報源ですので、必ず揃えておきましょう。

 

4回分の過去問を解けば、本試験の出題形式や問われやすいポイントがなんとなく掴めてくるかと思います。

過去問を通して、出題範囲の中で自分の知識が手薄になっている分野を把握しておきましょう。

 

教材探し&インプット

1級試験対策としては、上記の過去問を解くだけでは不十分で、出題範囲の各テーマについて、さらに自分で勉強を進めていく必要があります。

ただ難しいのが、1級試験対策のテキストなどは市販されておらず、教材探しから自分でやらなければならないところ。

いかに適切な教材を探し出して対策できるかが、合格のポイントといっても過言ではありません。

 

知的財産管理技能検定1級(特許専門業務)の主な出題範囲は以下のようです。

  • 国内の特許権利化
  • 契約(共同開発契約やライセンス契約など)
  • エンフォースメント(特許侵害訴訟など)
  • 知財戦略(IPランドスケープ、ポートフォリオマネジメント、オープン&クローズ戦略)
  • 米国など外国の特許実務
  • その他(知財評価、税関、独禁法など)

(詳細な出題範囲は公式サイトをご確認ください。)

 

これらのうち、2級試験の出題範囲外である、外国の特許実務あたりは特に対策が必要です。

これらに対策するための教材は、後ほどご紹介します。

 

まずは学科試験の合格を目指す

知的財産管理技能検定1級は、

  • 学科試験:マーク式の筆記試験
  • 実技試験:いわゆる面接試験

の2つに分かれています。

学科試験と実技試験は別日程で開催され(半年ごとに交互に実施)、学科試験の合格者でないと実技試験を受験できないようになっています。

従って、まずは学科試験の合格を目指すことになります。

 

試験形式はマーク式なので一見簡単そうに見えますが、1級特許専門業務の学科試験の合格率は8%程度と、かなり難しい試験になります。

ただ、実技試験と比べるとまだ対策がしやすいと言えますので、上で紹介した過去問題集をやりこんで、出題形式をばっちり把握しておきましょう。

 

実技試験は対策がさらに難しい・・・

上で述べたように、学科試験を突破すると、実技試験(面接形式の試験)が待ち構えています。

実技試験では、試験官からお題を与えられて、それに対して口頭で回答するという形式です。

出題される問題のテーマは毎回変わりますし、自分の考えを口頭で回答するため、正直対策は難しいです。

真の意味での特許実務能力が問われているといえるでしょう。

 

ただ、特許専門業務の場合、実技試験の合格率は90%程度となっており、かなり高いです。

学科試験に合格できるレベルであれば、実技試験でも通用する実力があると言えます。

 

あとは、試験範囲に対応する知識をどれだけ完璧に詰めれるかです。

学科試験の勉強で使った教材などに今一度目を通して、理解を完璧にする、日頃の実務で課題感をもって臨む、といった姿勢が求められます。

 

1級(特許専門業務)試験の教材

1級試験の教材のイメージ

上で紹介したように、1級試験ではそれ専用のテキストは存在せず、自分で教材を探して勉強を進める必要があります。

つまり、試験対策のための教材探しが合格のポイントになるわけですね。

 

以下に、1級試験(特許専門業務)の出題範囲うち、主に出題比率が高く受験者のネックとなりやすい契約外国実務について、対策のための教材を挙げてみたいと思います。

ただ、下記の教材で出題範囲が完璧に網羅できることを保証するものではないので、その点ご了承ください・・・。

 

契約

1級試験では、ライセンス契約や共同開発契約などについて、それなりにつっこんだ知識が問われます。

例えば、問題文に契約書の抜粋が掲載され、

  • 契約書の内容(秘密保持や発明帰属などがどうなっているか?)
  • 会社の立場として修正すべき条項があるか?

といったような問題が出題されます。

特許権利化を専門にやっている人は、契約の知識が手薄だったりするので、勉強しておきたいところ。

かくいう私も、実務でほとんど契約をさわったことがなかったので、契約の問題の対策には苦労しました・・・。

 

知財の契約については、「技術法務のススメ 事業戦略から考える知財・契約プラクティス」を読んでおくと良いです。

技術系の企業が、契約においてどんな点を注意すべきかがわかりやすく書かれており、勉強になります。

 

また、ネットでも探せば有益な資料が結構落ちています。

例えば、東京都知的財産総合センター作成の「中小企業経営者のための技術契約マニュアル」は、かなりわかりやすく書かれているので、入門に良いですね。

あとは、INPIT作成の「知っておきたい特許契約の基礎知識」も、若干読みにくいですが、特許契約の論点が網羅的にまとめられています。

 

外国特許実務

1級試験の特徴として、外国の特許実務について出題されます。

特に出題頻度が高い米国の特許実務を優先して対策しましょう。

 

米国特許法に最適なのが、高岡 亮一氏の「アメリカ特許法実務ハンドブック」です。(前の会社の先輩に勧めてもらった本です)

米国の特許実務についてかなり詳細に解説があり、実際の実務でも座右の書として置いておきたい一冊です。

 

その他、日本知的財産協会の「米国特許をうまく取得する方法」なども参考になりますね。

一般には公開されていませんが、お勤めの会社に置いてあれば目を通しておくと良いかと思います。

 

その他(知財評価、独禁法)

その他、1級試験に出題範囲となっている分野について、読んでおくと良い資料を挙げておきます。

特許評価

特許価値の算定手法、

  • コストアプローチ
  • インカムアプローチ
  • マーケットアプローチ

は繰り返し出題されるテーマなので、必ずおさえておきましょう。

知的財産の価値評価について(特許庁)」に目を通しておくと良いでしょう。

独占禁止法

契約の問題とからめて、独禁法について出題されることがあります。

公正取引委員会作成の「知的財産の利用に関する独占禁止法上の指針」に目を通しておきましょう。

特許ライセンスの実務家にとって必読の資料と言われているものです。

 

まとめ

というわけで、1級試験は難易度が高く、対策のための教材も限られているので、かなりハードな試験となります。

 

上で紹介した教材を再掲しますので、参考にしていただけると幸いです。

外国特許実務

 

なお、知的財産管理技能検定の全体的な試験制度や難易度については、「知財検定の難易度ってどれくらい?試験制度や受験資格などもご紹介」という記事で詳しく書いているので、こちらもあわせてご参照ください!

試験のスケジュールのイメージ 知財検定の難易度ってどれくらい?試験制度や受験資格などもご紹介

 

知財検定2級の勉強は、「知的財産管理技能検定2級の勉強法|テキストや受験体験も紹介します」をご参照ください。

2級試験の勉強のイメージ 知的財産管理技能検定2級の勉強法|テキストや受験体験も紹介します