脳が認める勉強法

公開日: : 書評(一般書)

脳が認める勉強法――「学習の科学」が明かす驚きの真実!
ベネディクト・キャリー
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 4,799

ちょっと前に読んだ「脳が認める勉強法――「学習の科学」が明かす驚きの真実!」という本が非常に興味深かったです。

書店で平積みにされていたことも多かったので、表紙を見たことがある人もいるのではないでしょうか?

本書では、過去に行われた学習に関する様々な実験が紹介されており、学習を効率良く行うためのテクニックを知ることができます。

 

そこから分かることは、ちまたで良いと信じられている学習方法が必ずしも効率的ではない、という驚くべき事実です。

 

そこで、単にこの本の感想を書くだけではなんなので、この本から得た知識を弁理士試験や知的財産管理技能検定などの資格試験の勉強にどう活用するかを私なりに考えてみました!

 

資格勉強への応用

本書で紹介されている知見は諸々ありますが、その中でも私が資格試験の勉強、学習に特に使えそうだなと思うものをピックアップしました!

 

アウトプットから入る

個人的に学習方法で一番重要だと考えているのはこれです!

アウトプットを意識しない勉強というのは本当に効率が悪いと思っています。

 

本書では、自己テストの重要性が述べられています。

例えば、文章の暗記をするという課題に対して、あるグループでは時間の全てを記憶する時間にあて、別のグループでは半分の時間を記憶に半分の時間を暗唱(アウトプット)にあてたという実験が紹介されています。

その後テストを行ったところ、半分の時間を暗唱にあてたグループの方が長期にわたって記憶の定着が見られたという結果が出たそうです。

 

また、面白いのが、全く学習してない状態からいきなりテスト(事前テスト)を受けた場合であっても、その後の学習の定着率が上がったという事例。

アウトプットを意識した勉強がいかに大事かがわかりますね。

 

余談になりますが、弁理士試験などの資格試験を勉強している人の話を聞いていると、インプットに対してアウトプットの比率が少ないなと感じることが非常に多いです。

私の持論としては、資格試験の勉強においては、教科書や基本書を1ページ目から読み始めるよりも、最初から過去問を問いて解説や教科書で知識を補足していくようなやり方の方が明らかに効率が良いと思います。

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インタリーブを活用する

本書では、反復学習が招く弊害として「流暢性が招く幻想」というのが挙げられています。

これは、同じ条件で練習を続けるとその条件ではいい結果が出せるようになるが、いざ環境が変わるととたんに結果が出せなくなってしまう、というようなことを言います。

いわゆる、本番に弱い人ですね。

このような流暢性が招く幻想に陥らないための学習方法としてインタリーブという手法が紹介されています。

 

インタリーブは、差し挟む行為という意味で、一つの同じ練習を続けるのではなく、色々な練習をちょくちょく差し挟むという手法です。

本書で紹介されている実験では、数学の図形問題を解かせるという課題において、ブロック学習(同じような解法の問題を連続して学習すること)をしたグループとランダム学習をしたグループとを比較したとき、ランダム学習をしたグループの方が圧倒的に成績が良かったという結果が得られたそうです。

 

これを弁理士試験に応用すると、特実意商や著作権、条約を混ぜこぜに(例えば、特許→商標→著作権→意匠・・・のように)学習するといったことが考えられます。

要は本番の短答試験と同じような並びですね。

あるいは、特許法だけ勉強するにしても、テーマをばらけさせてやった方が、学習効果が高いと思われます。

注意すべきなのは、市販の過去問題集だと、法域ごと、テーマごとに過去問が整理されており、この順番通りに反復学習すると、見事に「流暢性が招く幻想」にハマってしまうということです。

ランダムに学習できるような工夫をすべきでしょう。

 

本番に強くなるために学習環境を変える

これも上で述べた「流暢性が招く幻想」を打破するのに効果的な手法です。

本書では、1箇所で学習したグループと、途中で場所を変えて学習したグループとでは、学習時間が同じであるにもかかわらず後者のほうが成績が良かった、という研究が紹介されています。

また、静かな場所で学習したグループよりも音楽がかかっている場所で学習したグループの方が成績が良かったというような事例もあるようです。

 

このことから言えるのは、勉強の環境をコロコロ変えたほうが本番に強くなるということです。

例えば、勉強場所を図書館や学習室だけにするのではなく、カフェやレストラン、電車の中など色々な場所で勉強した方が良いということです。

副次的な効果(むしろこちらがメイン?)として、場所を変えることで気分転換できて集中力が長続きするのもいいですね。

私も資格試験勉強のときは、気分転換がてらに勉強場所をコロコロ変えるのが常でして、1日に2,3件カフェを渡り歩いたりします。

 

学習時間を分散させることの効果

本書では、一度にまとめて学習するよりも学習時間を分散させたほうが、記憶の定着効率が良くなることを示した実験が紹介されています。

これを分散効果と呼んでいます。

 

さらに、本書では、試験までの残り期間ごとに、1回目の学習をしてから2回目の学習(すなわち復習)をするまでの間隔の最適値が紹介されています。

例えば、試験が1週間後にある場合は、2回目の学習までの間隔を1〜2日後に行うのが良く、半年後の場合は、3週間後に行うのが良いそうです。

 

大雑把に言えば、試験までの残り期間が長いほど、復習するまでの間隔を長くした方が良いということですね。

これを実践するには、学習した日付をノートなどに記録しておいて、次にいつ復習するかをカレンダーなどで管理しておくと良いのではないでしょうか。

 

記憶が定着する睡眠方法

睡眠を工夫することによって、学習したことがより深く記憶されるそうです。

これは自分の体験でも実感していることでして、例えば、前日プレゼンテーションの練習をしていて、一晩寝て翌日に再びやってみると、前より格段にスムーズにできるようになったというようなことが過去に何度もありました。

睡眠は学習を助けます。
勉強のために睡眠時間を削るのはあまり得策でないということです。

 

さらに本書で興味深いのは、睡眠の段階によって、どんな種類の記憶が整理されるかを調べた実験です。

それによると、
レム睡眠(脳が活発に活動している)ではパターン認識が強化され、
段階2(比較的浅い眠り)では運動に関する学習(身体的な学習)が強化され、
段階3,4(深い眠り)では記憶が強化される、とのこと。

何を学習したいかによって色々工夫の余地がありそうですが、ひとまず資格試験のためであれば、ぐっすりと深い睡眠を取るのが一番なようですね。

 

最後に

というわけで、本書の中で試験勉強に使えそうなテクニックを紹介してみました。

私はこれまで人並み以上に資格試験の勉強をやってきたのですが、本書を読んで、「こうすれば良かったのか!」と目からうろこが落ちる思いでした!

とは言え、自分の経験と照らし合わせてみると、「ああ、たしかに」と腑に落ちる話も多かった気がしますね。

今までなんとなく実践していたことにお墨付きをもらったような。

 

なお、本書はその他にもビジネスなどで使えそうなテクニックが諸々紹介されています。

例えば、難しい問題に取り組むときにどういう風にアプローチしたら良いのかとか、視覚的な判断能力をどうやって訓練するのかとか、日々の生活に活かせそうなテクニックが目白押し!

学習効率を上げたいと思っている人は必読です!

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