知財戦略が学べる本はこれだ!担当者のおすすめ7選

知財戦略の本のイメージ

ビジネスをやっている企業にとって、知財戦略は欠かせないもの。

知財戦略について書かれた本には定番と言えるものがいくつかあって、これらを読んでおけば、知財業界でやっていくのに十分な知識を身につけることができます。

 

私も新卒で企業の知財部に入って以来、10年近く知財の仕事をしているので、知財戦略の本はかなり読みました。

知財戦略には、

  • 攻めの特許、守りの特許
  • パテントポートフォリオ戦略
  • オープン・クローズ戦略

といった定石があって、これらを深く知っておくには、本を読んでおくのが一番です。

もちろん、典型的な知財戦略が自分の会社にそのまま使えるとは限りませんが、やはり考え方の出発点としては参考になります。

特に、上のポジションを目指している方ほど、会社における知財のあり方を考える必要が出てくるので、戦略についてよく知っておくべき!

 

というわけでこの記事では、企業の知財担当者である私が、これまで数多くの知財本を読んだ中で「これは!」と思った知財戦略のおすすめの本をご紹介します!

知財戦略が学べるおすすめの本

知財戦略の本のイメージ

知財戦略を真正面から扱った本は、実はそれほど多くありません。

まずは、知財担当者なら絶対読んでおきたい名著と呼ばれる本があるので、そういったものから手を付けると良いでしょう。

 

また、従来は大企業の知財戦略を扱うものがほとんどでしたが、近年では、スタートアップの戦略にフォーカスした本も出てきています。

ご自身の業務や経験値に即した書籍を選ぶのも一考です。

 

ここでは、知財戦略が学べるおすすめの書籍として、以下の本をご紹介します!

書籍名 おすすめポイント

知的財産戦略
元キヤノンの丸島儀一氏の名著。本格的に知財戦略を学びたいならこの1冊!

スタートアップの知財戦略
スタートアップ企業の知財戦略にフォーカスした本。成長フェーズに応じた知財戦略の考え方が学べます

知財戦略のススメ
下町ロケットのモデルにもなった鮫島弁護士の著書。特許分析や知財契約についても得るところが多いです

知財担当者になったら読むべき本
知財経験が浅い方におすすめ。実務から戦略までがわかりやすく解説されています

オープン&クローズ戦略
オープン・クローズ戦略の大家、小川 紘一先生の著書。インテル、シスコ、アップル等の豊富な実例からオープン・クローズ戦略のあり方が学べます

インビジブル・エッジ
元BCGのコンサルタントが書いた知財戦略の本。実務家とは違った視点が学べます

特許戦略論
元オムロン知財部の久野敦司氏の著書。ユニークな視点から知財戦略が語られており、発想が広がります

 

知的財産戦略

まず最初にご紹介するのが、知的財産戦略です。

著書は、元キヤノンの知財本部長で弁理士の丸島 義一氏

知財業界では知らない人がいないくらい、伝説的な方ですね。

 

本書は丸島氏が、ゼロックス社など数多くの会社との交渉や訴訟を行った経験から生み出された知財戦略についてまとめられています。

知財の権利化と活用、他社との交渉戦術、さらには標準化戦略と、知財実務をやる上で必要となる知識が網羅されています。

 

本書では、著者が経験した事例が紹介されており、より具体的な場面を想定しながら知財戦略を身に付けることができます。

例えば、

  • ゼロックスの特許網を回避し、独自技術で複写機事業に参入したときの話
  • プリンター事業のコアであるカートリッジについて、いかにして特許による参入障壁を築いたか
  • 個人発明家レメルソンとの交渉

などが紹介されています。

 

企業が取り組むべき知財戦略や知財組織のあり方について、これほど良く書かれた本はないのではないでしょうか?!

企業の知財担当者であれば、必ず読んでおきたい名著です。

>>「知的財産戦略」の商品ページ

スタートアップの知財戦略

従来、知財戦略といえば大企業の知財戦略を指し、書籍でも大企業を前提としたものがほとんどでした。

そんな中で、「スタートアップの知財戦略」はタイトルの通り、スタートアップ企業の知財戦略にフォーカスした本です。

 

スタートアップでは、当然ながら知財に割けるリソースが限られていますし、資金調達や上場いったスタートアップ固有の課題もあります。

従って、知財戦略として考えることは、大企業のそれとは全く異なるわけです。

 

本書は、スタートアップの成長フェーズごとに、知財について留意すべき観点が網羅的にまとめられています。

また、大企業との提携といった場面において、トラブルを避けるためどのような規則や契約を作ればよいか

知財担当者のみならず、スタートアップの関係者に参考になる内容となっています。

>> 「スタートアップの知財戦略」の商品ページ

知財戦略のススメ

「知財戦略のススメ」は、下町ロケットの神谷弁護士のモデルとなったことでも知られる、鮫島 正洋氏の著書。

事業に参入するために必須特許を確保することの重要性や、競合他社分析など分析手法が参考になります。

また、

  • オープン・クローズ戦略
  • パテントトロールの脅威
  • 知財取引
  • グローバルでの知財管理

といった、知財戦略を考える上で知っておきたいトピックも網羅されています。

>>「知財戦略のススメ」の商品ページ

 

なお、鮫島氏の別の著書である「技術法務のススメ」も上の本とは別の観点で書かれており、こちらもおすすめ。

本書では、技術契約(共同開発契約やライセンス契約など)をむすぶにあたり、企業としてどういった点に留意して契約書を作成すれば良いのかが書かれています。

知財契約に関わる方ならぜひ読んでおきたい本です。

>> 「技術法務のススメ」の商品ページ

知財担当者になったら読むべき本

ある程度実務経験が、知財の実務経験が浅い方には正直とっつきにくいのが玉にキズです。

その隙間を埋めるための本として、「知財担当者になったら読むべき本」を挙げます。

 

本書は、知財担当者として遭遇しうる、知財の課題が網羅的に解説されています。

実務から戦略までのポイントがわかりやすく解説されているので重宝するでしょう。

>> 「知財担当者になったら読むべき本」の商品ページ

オープン・クローズ戦略

次にご紹介するのが、「オープン&クローズ戦略」です。

著者の小川 紘一氏は、オープン・クローズ戦略の提唱者で、多数の講演を行っています。

 

オープン・クローズ戦略とは、

特許で技術を囲い込むクローズ戦略と、技術を広く開放するオープン戦略とをビジネスにあわせてうまく使い分ける戦略

を指します。

 

本書は、日本の製造業が世界で勝てなくなった原因を分析しつつ、クアルコムやアップルといった世界的企業が実践しているオープン・クローズ戦略の事例を紹介しています。

具体事例が紹介されているため、実際の事業にオープン・クローズ戦略をどう落とし込むかというのが、分かりやすいです。

>>「オープン&クローズ戦略」の商品ページ

 

なお、当ブログでも「「オープン・クローズ戦略」を読んだ感想」という記事で、本書の紹介をしています。

オープン・クローズ戦略「オープン・クローズ戦略」を読んだ感想

インビジブル・エッジ

「インビジブル・エッジ」は、タイトルからは分かりづらいですが、知財戦略本の名著。

著者が戦略コンサルタント(BCG)の出身者で、企業の知財戦略の分析の他に、特許の経済に対する貢献や各国の知財政策といった、知財実務家とはまた違った切り口で知財戦略が語られているのが、本書の見どころです。

本書では、主に、クアルコム、テキサス・インスツルメンツ、フェイスブックなどの海外企業の知財戦略について、豊富な事例を交えながら紹介しています。

 

出版が2010年と若干古いですが、知財戦略についての鋭い考察は今読んでも色褪せない価値があります。

>>「インビジブル・エッジ」の商品ページ

 

なお、当ブログでも「インビジブル・エッジの感想」という記事で、本書の紹介をしています。

インビジブルエッジ「インビジブル・エッジ」の感想

特許戦略論

最後にご紹介するのが、「特許戦略論」です。

著者は元オムロンで知財体制構築に尽力した経歴を持つ、久野 敦司氏。

本書は、文体が結構独特で「なんだこれは?!」と思いますが、よくよく読んでみると非常に興味深い内容です。

 

本書のおもしろいポイントは、良い特許権を取得するということ以外に、特許活用に必要な情報収集だったり、それを可能にする会社組織をどう構築するか、というところにも目を向けているところです。

著者はこれを「特許パワー」、「情報パワー」、「組織パワー」と呼んでおり、これら3つの要素が特許戦力という総合力に効いてくる、と説いています。

このあたりは、著者の徹底したリアリズムに基づいた知見ですね。

 

上でご紹介した他の知財戦略本とは、また違った観点が書かれているので、他の知財担当者とは差をつけたい人には読んでおいて損のない本です!

>>「特許戦略論」の商品ページ

 

なお、当ブログでも「特許戦略論 ~特許戦略実践の理論とノウハウ~」という記事で、本書の紹介をしています。

特許戦略論「特許戦略論 ~特許戦略実践の理論とノウハウ~」の感想

まとめ

というわけで、知財戦略が学べる本のおすすめをご紹介しました!

紹介した本を再掲します。

書籍名 おすすめポイント

知的財産戦略
元キヤノンの丸島儀一氏の名著。本格的に知財戦略を学びたいならこの1冊!

スタートアップの知財戦略
スタートアップ企業の知財戦略にフォーカスした本。成長フェーズに応じた知財戦略の考え方が学べます

知財戦略のススメ
下町ロケットのモデルにもなった鮫島弁護士の著書。特許分析や知財契約についても得るところが多いです

知財担当者になったら読むべき本
知財経験が浅い方におすすめ。実務から戦略までがわかりやすく解説されています

オープン&クローズ戦略
オープン・クローズ戦略の大家、小川 紘一先生の著書。インテル、シスコ、アップル等の豊富な実例からオープン・クローズ戦略のあり方が学べます

インビジブル・エッジ
元BCGのコンサルタントが書いた知財戦略の本。実務家とは違った視点が学べます

特許戦略論
元オムロン知財部の久野敦司氏の著書。ユニークな視点から知財戦略が語られており、発想が広がります

 

いずれも異なる観点から知財戦略を扱った本で、ご自身の業務内容などに合わせて選ぶと良いでしょう。

ご参考にしていただけると幸いです!

 

なお、特許実務でおすすめの本については、下記の記事で書いています。

国内外の特許権利化から訴訟対応、調査、契約まで、特許実務で役に立つ本を幅広く紹介しているので、こちらもぜひ!

特許実務の本のイメージ特許実務に使える本おすすめ12選|担当者が厳選

 

また、商標実務で役に立つ本については、下記の記事をどうぞ。

私は元々特許専門でやっていたのですが、転職してから商標も扱うことになり、その過程で知った商標実務の本について紹介しています!

知財検定のテキストのイメージ商標の実務に使える本10選【おすすめをご紹介!】