弁理士論文試験の対策法おしえます!書き方もご紹介

論文試験の勉強のイメージ

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弁理士は難関資格として知られていますが、弁理士試験の中でも論文試験は、最も実力が要求される試験です。

短答を突破したものの、論文になかなか受からない受験生は多くいます。

 

論文試験を突破するためには、論文で求められることを理解し、しっかりと対策することが必要です。

この記事では、弁理士の論文試験の書き方や対策法について書きたいと思います!

 

ちなみに、これを書いている私は、学生時代に弁理士を目指し、LECに通って猛勉強した末、弁理士試験に一発合格した経験があります。

過去に論文対策で苦労した経験を踏まえて書いているので参考にして頂けると思います。

 

なお、全体的な弁理士試験の勉強法については下記の記事をご参照ください。

合格者のイメージ弁理士試験の勉強法|一発合格のための非常識なやり方とは?

弁理士試験での論文の書き方

論文試験のイメージ

弁理士試験での論文の書き方についてです。

論文試験の概要

まず、前提として論文試験の概要を確認しておきましょう。

論文試験は、

  • 必須科目:特許・実用新案、意匠、商標の3科目
  • 選択科目:各受験生の専門分野に応じて科目を選択する

とに分かれます。

このうち、論文試験(必須科目)の概要は以下のとおりです。

論文(必須科目)の概要
  • 試験形式: 筆記式(論文)
  • 問題数: 【特許・実用新案】大問2問、【意匠】大問2問、【商標】大問2問
  • 試験時間: 【特許・実用新案】2時間、【意匠】1時間30分、【商標】1時間30分
  • 受験地: 東京、大阪
  • 合格率: 23.9%(平成30年度)

 

なお、論文試験の選択科目は多くの受験生が免除されているので、ここでは割愛します。

問題文を熟読する

ここからは論文の書き方について。

論文試験の問題を解く際に、まずやるべきなのは「問題文を熟読する」ことです。

 

近年の論文試験では、事例問題が多く出題されます。

事例問題は問題文の記載が長く、状況設定もかなり複雑になっています。

従って、問題文をよく読んで、

  • 登場人物
  • 権利の内容
  • 出来事の時系列

など、問題の前提となる状況をしっかり把握するようにしましょう。

図にまとめて整理するのも有効です。

答案構成をする

問題文をよく読んだ後に、いきなり答案用紙に書き始めてははいけません。

論文試験においては、問題文を読んだ後、まずは答案構成を検討するのが定石です。

 

答案構成では、各設問に対する答えとその根拠を箇条書きでメモ書きしていきます。

この答案構成がうまくできるかどうかで合否が決まると言っても過言ではありません。

 

ここで重要なのが、答案構成を行う際は、論点を漏れなく抽出することです。

論点というのは、答案の中で言及して欲しいポイントのことです。

例を挙げると、「特許権を侵害する者に対して何ができるか?」という問題の場合、

  • 差止請求
  • 損害賠償請求
  • 不当利得返還請求
  • 信用回復の措置

のそれぞれが論点になります。

基本的に、論文試験の採点では、答案の中に論点が含まれているかどうかがを主にチェックされます。

答案構成の際は、論点漏れがないか慎重に確認するようにしましょう。

論文のお作法に従って答案用紙に記入する

答案構成ができたら、実際に答案用紙に記入していきます。

基本的には、答案構成がしっかりできていれば、あとはそれを肉付けしていく作業になります。

答案構成においてメモ書きした解答を、採点者が読んで理解できるように文章に落とし込んでいきます。

 

その際、以下のような論文のお作法に則って文章を書いていくのが望ましいです。

  • 問題の設問に合わせて番号をふる
  • 見やすいように段落分けする
  • 文末に根拠となる条文番号等を示す

いずれも、形式的な話ではありますが、これができれいれば、見やすい答案になるので、自ずと採点者の心象も良くなります。

ムダなことを書かない

特にベテラン受験生に多い傾向ですが、論文試験では、問題に問われていないことを長々書かないように注意しましょう。

知識がある分、関連する判例や学説を書いて加点を狙いたくなりますが、リスクのほうが大きいです。

 

特に近年の論文試験では、事例問題で文章が長く、小問の数も非常に多いです。

そのため、余計なことを書いていると、書き終わらないうちに時間切れになってしまいます。

答えとその根拠を簡潔に記載するようにしましょう。

多少そっけない文章でも、ちゃんと論点が含まれていれば点数が付きます。

弁理士論文試験の対策法は?

上で書いたように、論文試験では、論文の題意をしっかり把握し、きちんと答案構成をした上で、採点者に評価されるような論文(論点の間違いや抜け漏れがない論文)を書けるようになることが重要です。

 

では、そんな論文試験の対策はどうすればよいのでしょうか?

ここでは、弁理士の論文試験の対策法についてご紹介します!

手を動かして論文を書く訓練をする

論文を書くイメージ

まず、論文試験対策の心構えとして、

自分で手を動かして論文を書く

という訓練を必ずするようにしましょう。

 

論文試験では、法律知識をもとに、問題の事例に当てはめ、その結果を文章として記載する(論述する)ものです。

ここで、「論述する」というのは、

頭の中にある思考を文章という形に昇華させる

ということであり、短答試験では求められなかった、ある種独立したスキルです。

論文試験では、この論述のスキルが重要になります。

そのため、論述の練習を疎かにすると、いくら知識があっても論文を突破できないという事態になってしまいます。

 

残念ながら、問題集を眺めたり、対策講座を受講しただけでは論文を書けるようにはなりません。

論述スキルは、実際に手を動かして文章を書くという訓練を積んで、はじめて身に付くものなのです。

 

私にも経験がありますが、最初のうちは、論文を書くのは非常に辛い作業です。

論文の内容をどうする云々の以前に、そもそも文章が書けないという人も多いのではないでしょうか?

それでも、毎日手を動かして文章を絞り出す訓練をしていくうちに、だんだんと書ける文章が長くなっていきます。

論文試験においては、こういった地道な訓練が重要であることは声を大にして言いたいです。

論文試験の問題集を揃える

論文試験過去問のイメージ

短答試験と同様に、論文試験でも過去問をしっかりやり、完璧に答案を再現できるようにしておくことが重要です。

以下、論文試験対策の参考書をご紹介します。

弁理士試験 論文式試験 過去問題集(TAC)

「弁理士試験 論文式試験 過去問題集」は、資格予備校であるTACから出版される論文試験の過去問題集です。

本書では、過去問の模範答案や解説だけでなく、

  • 問題文を読む際に着目すべき点、注意すべき点
  • 答案構成(答案を書き始める前に組み立てるべき「骨組み」の部分)

が明示されており、論文答案の組み立て方を身に付けられるように工夫されています。

 

また、本書は書店やネット通販で容易に入手できるのもメリットです。

まずは、本書に収録されている過去問について繰り返し学習し、本試験までに完全に答案を再現できるようになりたいところです。

>> 「弁理士試験 論文式試験 過去問題集」の商品ページ

弁理士試験 年度別論文過去問(LEC)

弁理士試験 年度別論文過去問は、LECから出版される、年度別の論文過去問題集です。

本書の特徴としては、論文試験問題の答案として、

  • オーソドックスな「答案例」
  • 講師参考答案

の2つが掲載されている点です。

これによって、とりあえず合格点を取れる答案とパーフェクトな答案のレベル感がわかる、という工夫されています。

両者を見比べることで、最低限どういった点をおさえれば加点につながるのかが理解しやすくなっています。

本書は、LECのオンラインショップから購入することができます。

>> 「弁理士試験 年度別論文過去問」の商品ページ

※平成28年から令和4年まで7年分の論文式試験の過去問を収録!
※令和元年の法改正に対応対応しています!

弁理士試験 論文マニュアル

弁理士試験 論文マニュアルは、資格予備校のTACから出版された論文試験対策のテキストです。

特許・実用新案と意匠・商標の2冊に分かれています。

 

予備校の論文対策講座を取っていない方は、本書で基本的な論文の書き方や事例問題への取り組み方を学習すると良いでしょう。

論文試験の対策講座・模試を受講する

オンライン予備校のイメージ

論文の書き方のコツを掴むには、各資格予備校が提供する論文試験の対策講座を受講するのが近道です。

やはり、資格予備校には長年のノウハウが蓄積されています。

対策講座で論文の書き方や合格のために書くべきことをしっかり学べば、余計な回り道をしなくてすみます。

また、上記の「書く訓練」をするためには、論文試験の演習問題を多くこなすという意味でも、論文対策講座を受講する価値があります。

以下、おすすめの論文試験の対策講座をご紹介します。

LEC 論文直前レギュラーパック

弁理士試験では、まずは短答試験合格を狙って勉強していくので、どうしても論文対策は後回しになりがちです。

短答試験終了後に、大急ぎで論文試験対策を始める受験生も多いでしょう。(私が受験生のときも、本格的に論文の勉強を始めたのは短答が終わってからでした)

 

短答終了後の論文対策には、LECの論文直前レギュラーパックがおすすめです。

こちらのパックでは、

  • インプット:論文過去問分析講座(全6回)
  • アウトプット:論文直前答練[前期][後期](全8回)
  • 論文公開模試[前期][後期](全4回)

が含まれており、短期間で論文対策のインプットとアウトプットをバランス良くできるのが特徴です。

また、論文直前答練や論文公開模試は、実際にLECの校舎で受験するようになっており、本番の予行演習として最適です。(なお、自宅での受験を選択することも可能です)

 

やはり、試験本番で実力を出し切るには、できるだけ本番に近い環境で演習を重ねることが重要です。

こちらのパックでは、演習の機会が十分に含まれているので、短答試験後に「論文の実力を合格レベルまで高めたい!」という方はぜひこちらの講座を検討してみてはいかがでしょうか?

>> LEC 論文直前レギュラーパックの詳細

※短答が終わってからの論文対策に最適!
※論文公開模試が含まれています

TAC 論文式全国公開模試

論文模試では、本番さながらの雰囲気で論文試験の予行演習ができます。

本試験で実力を出し切るためにも、必ず模試を受験して場数を踏んでおきましょう。

論文試験の公開模試は、上で紹介したLECのコースに含まれる他、TACでも開催しています。

>> TAC 論文式全国公開模試

LEC 論文トリニティコース

過去に本試験を受験して、短答免除になっている方などは、論文試験に照準を合わせて勉強します。

こういった論文試験対策にがっつり時間を使える人向けなのが、LECの論文トリニティコースです。

 

こちらの講座では、全54回というかなりのボリュームで、論文試験に絞った対策をしていきます。

論文で高得点を取るのに必要最低限の記載事項を盛り込めるような答案構成を伝授していきます。

 

さらに、「論文集中答練」「論文実戦答練」「論文完成答練」と、充実したアウトプットの機会があり、論文対策をより万全にすることができます。

>> LEC 論文トリニティコースの詳細はこちら

※学習経験者向け。充実したアウトプットで論文対策を万全に!

STUDYing 弁理士論文対策コース

大手予備校が提供する論文対策講座はそれなりに受講料が高額になります。

また、ゼミの場合は通学が前提となるので、仕事が忙しかったり、地方に住んでいたりするとそもそも受講が不可能ということもあるでしょう。

 

低価格且つ手軽に論文対策がしたい方には、STUDYingの弁理士論文対策コースがおすすめです。

STUDYingでは、PCやスマホアプリで講義動画を視聴でき、場所や時間を選ばず勉強を進められるのが強みです。

 

こちらの講座では、「頻出15パターン×3サイクル」というメソッドで論文対策を進めていきます。

講師の分析により、「過去の論文試験問題は15のパターンに分類できる」という知見を元に、これらのパターンで論文の書き方を習得していきます。

論文をあまり書いたことがない方でも、答案作成のルールや答案構成のやり方、合格答案のポイントなどが学べます。

受講料は38,500円となっており、他の資格予備校と比較してもかなり安く受講できます。

論文試験対策に絞った講座を手軽に受講したいと考えている方におすすめです!

>> STUDYing 弁理士論文対策コースの詳細

※受講料が業界最安値!
※スマホアプリですきま時間で学習できます

まとめ

というわけで、弁理士の論文試験対策について書いてきました。

まとめると、

  • 論文試験では、問題の題意をしっかり把握し、書く前にきちんと答案構成をする
  • 答案構成の際は、論点の間違いや抜け漏れがないように注意する
  • 余計なことは書かず、答えとその根拠を簡潔に記載する
  • 論文対策では、自分で手を動かして論文を書く訓練を必ずする
  • まずは過去問題集を揃えて完璧に答案を再現できるようにする
  • 資格予備校の論文講座を受講することで、回り道を防ぐ
  • 直前の論文模試で本番の雰囲気を掴む

ということですね。

 

ご参考になれば幸いです!

 

本記事で紹介した参考書と対策講座・模試を再掲しますので、ぜひご参考にしてみてください!