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知財部の仕事内容って? ある知財担当者の一日の仕事を紹介します

投稿日:2014/02/09 更新日:

企業の知財部ではどんな仕事をしているか?

これは、外からはなかなかイメージしにくいと思います。

かく言う私も、新卒で企業の知財部に入るまで、「特許の仕事をするのかな?」くらいの漠然としたイメージしかありませんでした。

そこで、企業の知財部に入りたい方(知財部への異動、転職を希望される方)のために、知財部の仕事内容についてお話しましょう!

とはいえ、知財部は会社の規模や社風などによって、仕事内容や雰囲気が結構違うので、意外と一概に言えなかったりするんですけどね・・・。

 

知財部の仕事って何?

簡単に言えば、知財部は知的財産(特許、意匠、商標、著作権、ノウハウ等)に関する業務を行う部署です。

例を挙げると、

  • 発明の発掘
  • 特許明細書の作成
  • 拒絶理由通知対応
  • 出願や権利維持のための事務手続き
  • 他社からの特許侵害警告や訴訟への対応
  • 知財のライセンス契約
  • 他社特許の調査、分析
  • 他社製品が自社特許を侵害していないかの監視、分析
  • 意匠・商標の出願、権利化
  • ブランド管理
  • 会社としての知財への取り組み方針の策定(かっこ良く言えば知財戦略を考える)

などです。

このように、知財関連の業務といってもかなりの種類があるため、知財担当者一人で全ての業務をカバーするケースは無いと思います。

大手メーカー(例えばキヤノンとかソニーとか)になると、知財部員の数だけでも数百人いたりするので、上記の業務ごとに部署が分かれていたりします。

例えば、特許出願や権利化を担当する部署、訴訟対応を行う部署、事務手続きを行う部署・・・のようなかんじです。

 

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知財部の仕事では特に特許出願業務の比率が高い

上で述べたように、知財部で扱う仕事は色々あるのですが、大部分の人は特許出願や権利化の業務を担当しています。

もちろん、会社によって異なると思いますが、知財部にいる人のうち7割くらいのひとは特許権利化業務をやっているのではないでしょうか?

知財部を置いているような企業は主にメーカーであり、メーカーにとって、技術開発の成果を特許として権利化し、製品を保護することが最優先になりますからね。

なお、食品や消費財メーカーなどでは、製品の性質上、特許を取得できる余地があまり無く、商品の名前や形状を保護することが重視されるため、特許よりも意匠・商標業務の割合が高いそうです。

 

特許権利化業務では、発明の技術内容を理解することが必要であるため、多くの人が理系のバックグラウンドを持っています。

従って、もしもあなたが理系で、知財部に配属された場合、かなりの確率で特許出願や権利化に関する業務を担当することになるでしょう。

なお、業界的には、特許の出願や権利化をする人のことを「権利化担当者」と言ったりします。

 

特許出願や権利化の業務の具体的な内容としては、

  • 発明発掘: 研究・開発において、特許になりそうな発明を見つけ出す
  • 出願: 開発者が作成した発明提案書を元に、特許明細書を作成し、出願する。
  • 中間処理: 特許庁からの拒絶理由に対して、意見書や補正書を作成する。

の3つがメインになります。
こう書いてみるとシンプルなかんじがしますね。

 

ところが、同じ特許権利化担当者であっても、担当する製品や技術分野によって、当然必要とされる技術知識は異なるし、明細書の書き方や審査官への対応の仕方が微妙に異なってきます。

また、部署によっては、権利化に加えて侵害警告対応や訴訟対応の仕事が頻繁に入ってきたりする場合があります。

さらに、会社や部署の方針によって、発明提案は開発から上がってくるのを待っているのか or 積極的に発明発掘に関わっていくのか、明細書は知財部内で完成させるのか or 事務所に丸投げして作らせるのか、などが変わってきます。

小さい会社だと、一人の知財担当者が権利化から訴訟対応、商標業務まで幅広く対応するということもあります。

 

ある知財部員の一日の仕事

私が大手電機メーカーの知財部に在職していたときを参考に、ある知財部員の一日の仕事をご紹介します!

もちろん日によってやっている仕事がバラバラだったりしますが、平均してならすとこんな感じかと思います。

 

ありがちな一日 Part1

-am 8:30
出社

-am 9:00
期限が迫ってきた拒絶理由通知への対応を検討する。
発明者と打ち合わせをする前に、どのような補正を行って、意見書で何を主張するかなどを考えておく。
落とし所の参考にするため、本願の関連出願の登録状況を調べたりする。

-am 10:30
拒絶理由通知への対応について、開発部門にいる発明者と打ち合わせを行う。
拒絶理由通知の内容を説明した後、「こんなかんじでどうでしょう?」と考えた方針を提案する。

-am 11:30
打ち合わせの内容を忘れないうちに、先程の件のざっくりとした案文を作る。

(昼食)

-pm 1:00
午前中とは別の件の意見書を作成。
回答期限が迫っているので、焦る。
(あまり期限ギリギリに回答すると、上司から小言を言われる・・・)

-pm 3:00
特許事務所の先生から電話。
拒絶理由通知の対応についていくつか質問を受ける。

-pm 5:00
なんとか意見書の案文が完成。
案分を事務所に送って、清書してもらう。

-pm 5:30
今日は残業ができない日なので、早々に帰宅。

 

ありがちな一日 Part2

-am 8:30
出社

-am 9:00
明細書作成を行う。
発明者の書いた発明提案書をベースに色々修正するかんじ。

-am 10:30
開発との会議。
開発が上げた発明提案について、出願するか?どういうクレームを作るか?について議論する。

(昼食)

-pm 1:00
明細書作成続き。
提案書で何を書いているのか分からない箇所があるので、発明者に電話して質問。

-pm 3:00
煮詰まったので、別の仕事(意見書作成)を始める。

-pm 4:00
先日、事務所に依頼した外国出願用の英文原稿が送付されてくる。
翻訳が正しいか、内容をチェック。
中国や韓国などの非英語圏に出願する場合、英文原稿が翻訳の元になるので、慎重に。。

-pm 6:00
明細書作成を再開。
クレームの表現について、あれこれ悩む。
できあがったクレームのドラフトを上司に見せて、意見をもらう。

-pm 7:30
退社。


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以上、ある知財部員の一日を書いてみました。

その他、審査請求検討や特許調査、さらには細々とした雑務等が入ったりしますが、基本的な仕事はこんなかんじです。

 

知財部で仕事をする意義は?

上記の例では、明細書を書いたり、意見書を作ったりと、特許事務所と似たような仕事をやってますね。

では、企業の知財部で権利化業務をやるのであれば、特許事務所で働くのと大差がないのでしょうか?

私は、以下の理由で、両者の仕事は全く性質が異なると考えています。

 

知財部員は発明の源流により深く関わる

知財部で仕事をしていると、発明が形になる前の初期の段階から発明に係わることになります。

例えば、開発者から発明のアイデアについて相談を受けるとき、発明のポイントが何なのか定まっていない場合がほとんどです。

それに対して、知財担当者は、開発者と議論してアイデアを引き出したり、先行文献を調べたり、足りない箇所は開発者に追加実験をお願いしたりして、発明を形にしていきます。

そして、ある程度発明が形になって、ようやく特許事務所に願書作成を依頼できるようになるのです。

このように発明の源流に入って、発明を特許出願できるまでに形にしていくのは権利化担当者の重要な仕事です。

 

知財部員は特許を取る意義をより深く考える

権利化担当者は、最終的に特許でどういった権利範囲を押さえるべきなのかを意識しつつ、権利化を進めることが求められます。

特許で守るべき自社の製品・サービスがあり、特許で排斥すべき競合他社の製品・サービスがあるわけで、このことを考えながら特許権利化を進めることができるのは、権利化担当者しかいないのです。

そのためには、自社製品や競合他社製品の仕様、製品流通の態様などを頭に入れなければなりませんし、自社が保有する他の特許との位置づけも意識しなければなりません。

特許事務所の弁理士もある程度は考えてくれますが、やはり適切な方向へのディレクションを行い、結果に責任を持つことは権利化担当者の仕事です。

 

このように、企業の知財部と特許事務所とでは権利化業務の性質が異なり、この違いが企業の知財部で働く醍醐味かなと思います。

 

というわけで、知財部の仕事内容について紹介しましたが、なんとなくイメージできたでしょうか?

なお、繰り返しになりますが、知財部の仕事内容は、会社によってかなり異なるので、あくまでご参考までに!

 

知財部ではどんな資質が必要となるのかについては、下記の記事に書きましたので合わせてご参照下さい!

知財部で成果を出すには?必要となる4つの資質



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